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平成21年6月定例会(第3日目) 名簿
平成21年6月定例会(第3日目) 本文

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  1. 島根県議会 2009-06-03
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    島根県議会会議録検索 検索結果一覧へ戻る 検索をやり直す (このウィンドウを閉じます) 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成21年6月定例会(第3日目) 本文 2009-06-26 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 79 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長田原正居選択 2 : ◯白石恵子議員 選択 3 : ◯議長田原正居選択 4 : ◯知事溝口善兵衛選択 5 : ◯議長田原正居選択 6 : ◯総務部長加松正利選択 7 : ◯議長田原正居選択 8 : ◯健康福祉部長錦織厚雄選択 9 : ◯議長田原正居選択 10 : ◯土木部長鳥屋均選択 11 : ◯議長田原正居選択 12 : ◯教育長藤原義光選択 13 : ◯議長田原正居選択 14 : ◯白石恵子議員 選択 15 : ◯議長田原正居選択 16 : ◯健康福祉部長錦織厚雄選択 17 : ◯議長田原正居選択 18 : ◯大屋俊弘議員 選択 19 : ◯議長田原正居選択 20 : ◯知事溝口善兵衛選択 21 : ◯議長田原正居選択 22 : ◯総務部長加松正利選択 23 : ◯議長田原正居選択 24 : ◯地域振興部長長谷川眞二) 選択 25 : ◯議長田原正居選択 26 : ◯商工労働部長(小林淳一) 選択 27 : ◯議長田原正居選択 28 : ◯副議長(上代義郎) 選択 29 : ◯尾村利成議員 選択 30 : ◯副議長(上代義郎) 選択 31 : ◯知事溝口善兵衛選択 32 : ◯副議長(上代義郎) 選択 33 : ◯総務部長加松正利選択 34 : ◯副議長(上代義郎) 選択 35 : ◯健康福祉部長錦織厚雄選択 36 : ◯副議長(上代義郎) 選択 37 : ◯農林水産部長(石垣英司) 選択 38 : ◯副議長(上代義郎) 選択 39 : ◯企業局長(山根勝彦) 選択 40 : ◯副議長(上代義郎) 選択 41 : ◯病院局長(今岡輝夫) 選択 42 : ◯副議長(上代義郎) 選択 43 : ◯尾村利成議員 選択 44 : ◯副議長(上代義郎) 選択 45 : ◯知事溝口善兵衛選択 46 : ◯副議長(上代義郎) 選択 47 : ◯総務部長加松正利選択 48 : ◯副議長(上代義郎) 選択 49 : ◯企業局長(山根勝彦) 選択 50 : ◯副議長(上代義郎) 選択 51 : ◯珍部芳裕議員 選択 52 : ◯副議長(上代義郎) 選択 53 : ◯知事溝口善兵衛選択 54 : ◯副議長(上代義郎) 選択 55 : ◯健康福祉部長錦織厚雄選択 56 : ◯副議長(上代義郎) 選択 57 : ◯商工労働部長(小林淳一) 選択 58 : ◯副議長(上代義郎) 選択 59 : ◯企業局長(山根勝彦) 選択 60 : ◯副議長(上代義郎) 選択 61 : ◯教育長藤原義光選択 62 : ◯副議長(上代義郎) 選択 63 : ◯選挙管理委員会委員長(津田和美) 選択 64 : ◯副議長(上代義郎) 選択 65 : ◯珍部芳裕議員 選択 66 : ◯副議長(上代義郎) 選択 67 : ◯健康福祉部長錦織厚雄選択 68 : ◯副議長(上代義郎) 選択 69 : ◯議長田原正居選択 70 : ◯福間賢造議員 選択 71 : ◯議長田原正居選択 72 : ◯知事溝口善兵衛選択 73 : ◯議長田原正居選択 74 : ◯商工労働部長(小林淳一) 選択 75 : ◯議長田原正居選択 76 : ◯福間賢造議員 選択 77 : ◯議長田原正居選択 78 : ◯知事溝口善兵衛選択 79 : ◯議長田原正居) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:        午前10時3分開議 ◯議長田原正居) これより本日の会議を開きます。  日程第1、「県政一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑」を行います。  昨日に引き続き一般質問を行います。  質問の通告がありますので、議長が指名して順次発言を許します。  白石議員。  〔白石恵子議員登壇、拍手〕 2: ◯白石恵子議員 皆さんおはようございます。民主県民クラブの白石恵子でございます。朝一番での質問順番、初めてでございまして、少し緊張しておりますけれども、知事及び執行部の皆様方の前向きな御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。  さて、3月議会の終了から6月議会までは一番時間的に私たちも余裕があるところですが、国内外でもさまざまな出来事がありました。しかし、何といっても4月に発生した豚由来の新型インフルエンザは世界を震撼させた一番の出来事だったと思っております。幸いに恐れられていた強毒性ではなくて、季節性インフルエンザとさほど変わらない弱毒性だったことでほっとしたと同時に、強毒性を想定した行動計画に沿っての対応がやり過ぎだったという批判も招いたところでございます。確かに諸外国と比べて日本では生まじめに強毒性対応をし続けた嫌いはあったかと思いますけれど、新型はその性質がわかるまで時間を要しますから、初期対応としては仕方がなかったのかなというふうに思います。そして、何より大事なことは、今回の新型インフルエンザ対応で得られた知識や体験、反省を、秋に発生が予想される第2波対策の取り組みに生かしていかなければならないと思っております。そういう観点で、まず新型インフルエンザ対策についてお伺いをいたします。  県の行動計画は、現在強毒性インフルエンザを想定しておりますが、今回の対応の結果を踏まえて、弱毒性インフルエンザに応じ柔軟に対応できるものに見直しをするか、あるいは弱毒性インフルエンザに対応したものに変更するか、そうする必要があると思いますが、県としてはどのように今考えておられますでしょうか。  新型インフルエンザが弱毒性であったために、最近国の方針も、発熱外来で対応するのではなくて、原則一般診療所で外来診療を行うようにという運用指針が6月19日に出されましたので、県としても早急に医師会と協議をして体制を整えなければならないと思っております。多くの罹患者が発生した神戸市では、医師会の協力を得て、早い段階で診療が可能な一般診療所での診察を実施しております。実際に受け入れた診療所の医師は、一般診療所で診察を可能にするために、幾つかの条件を提示しております。1点目は、いきなり受診するのではなくて、予約診療とすること、2点目は、簡易検査キットやマスク、タミフルなど必要な医療物品の補充を行政で責任を持つこと、3点目は、まだ国の判断基準が出ていなかった時期であったということもあって、医療従事者への感染防御体制の指針を行政が示してほしいということがその条件でした。  島根県でも、これから一般診療を始めるに当たって、同じようなことが求められると思うのですが、一般診療所で診察を受け入れてもらうために、現段階でどのような県としての支援体制をお考えでしょうか。  2点目は、発熱相談センターについてです。  県では、4月末の新型発生時から相談窓口、相談センターを設置して、国内発生以降、5月16日から6月8日まで24時間対応をされました。当然保健師だけでは足りず、部内の事務職員も短期の研修を受けたのみで相談対応に当たっているというふうに聞きました。保健師の指導のもと、フローチャート等も示されているようですが、相談に当たる事務職員の心理的負担感は相当なものと想像をいたします。発熱相談センターの役割も、6月19日、国の運用指針が示されたことで、これからかなり変化をするとは思いますが、今回相談に当たった専門職以外の職員の意識調査等もされれば、秋以降の体制整備に生かせると思います。県の責任として、第2波に向け、職員が自信を持って相談に当たれるような相談体制の構築についてどのようにお考えでしょうか。  次に、危機管理体制について伺います。  想定していた強毒性インフルエンザでなく、弱毒性だったため、通常業務もこなしながら新型インフルエンザの対応をするのと時を同じくして、6月補正予算編成もあり、現在職員の負担感はピークではないかと思っております。秋の流行期を迎えるに当たり、いつまで続くかわからない状況の中で、対策に当たる職員の心身の健康を守るために、どのような方策をお考えですか。  また、財政再建計画で、今後も人員削減が予定されていますが、車にもハンドルに遊びがないと事故につながります。同じように、危機管理体制もしっかりした対応にするためには、幾らかは人員に余裕がなければできないのではないかと考えますが、県のお考えをお聞かせください。  最後に、兵庫や大阪など多数の発症者が出た地域で、最初の感染者や在籍する学校に生徒や学校を非難する電話が多くかかったと新聞報道で知りました。罹患した生徒や学校に何の落ち度もないはずですが、このようなことが起こったことを念頭に置いて、我が県でも罹患者をいたずらに傷つけることがないよう、県民に対し正しい知識と理解を求める徹底した広報をする必要を感じております。県としてどうお考えか、お伺いをいたします。  次に、学校での新型インフルエンザ対策について伺います。
     今回は国外、国内とも高校生に多く発症し、高等学校で蔓延をいたしました。このことに学ぶならば、第1に高等学校で適切に対処することが大切です。しかし、感染予防の有効性がはっきりしている手洗いを徹底するためだけでも、最低限必要と思われる液体石けんや手指消毒用のアルコールの購入のための予算は、大規模校であれば数十万円、場合によっては100万円単位の予算が必要となります。高等学校の通常の保健予算は、学校全体の需用費の中で賄われ、各学校でまちまちであり、季節性インフルエンザの対策だけでも十分ではないと聞いております。別途新型インフルエンザ対策のために、学校への予算措置が必要だと強く訴えたいのですが、予算措置をするお考えはありますでしょうか。  また、準備しておくものとして、公立学校におけるマニュアルには例が挙がっていますが、数量が明確でなく、液体石けんやふたつきごみ箱など必要と思われるものが入っていないなど、見直しが必要です。高校によって必要なものが必要なだけそろうよう最低限必要なものと必要数、例えば生徒10人当たりの数量等は指針としてきちんと示し、徹底を図るべきだと思いますが、どう考えられますか。  同時に、学校での保健指導についても、各学校で差が出ないように徹底を図ることを具体的に示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。  幸い今まで県内には発生していませんが、今後発生があった場合、特に罹患者が児童生徒であれば、保護者への発生の連絡や学校閉鎖等の緊急連絡が必要になります。しかし、最近は個人情報の関係で、学級の連絡網をつくっていないと聞いております。メールによる連絡方法をとっておられる高校もあるようですが、新聞報道等ではメールアドレスが変わっていて連絡がつかなかったということもあったようですし、小中学校では携帯電話そのものの所持を許していないと思います。教師が一軒一軒連絡をするのは非効率でもありますし、電話回線も限られている中で、緊急にすべての児童生徒や保護者への連絡は難しいと思います。個人情報の管理に十分注意しながら、連絡網の整備が必要ですが、どのような対策を考えておられますでしょうか。  次に、国民健康保険被保険者資格証明書交付者について伺います。  国の方針により小中学生には短期保険証が発行されていますが、高校生には発行をされていません。新型インフルエンザであれば、資格証明書交付者も発熱外来では保険証所持者と同様に3割負担でよいという国の通知が出ています。しかし、このたびの新型インフルエンザは、熱が高くなかったり、出なかったりと軽症の場合も多く、季節性のものと区別がつきにくいようですし、高校生の場合、通知を知らなかったり、新型でない場合は保険適用にならないことを恐れて受診をためらったりする可能性も考えられます。本来何らかの事情で保険料を納めることができないときは、分割納付にするなどによって、短期保険証の交付を受けることができますから、特に高校生を持つ保護者で該当する者があれば、流行期前に早急に国民健康保険担当窓口に相談するように勧めることが大切だと思います。高校生にも短期保険証を交付している松江市を除けば、一番対象者が多い出雲市でも12名、少ないところでは1名です。市町村が電話や訪問等で対象者に相談を促すよう、県の方から依頼することはできませんか、考えを伺います。  望ましいのは、松江市のように小中学生だけでなく、高校生までの子供に短期保険証の交付をすることです。数もそれほど多くないのですから、他の市町村に松江市と同様の取り扱いをするよう依頼することはできませんか、お伺いをいたします。  また、少なくとも国の通知は市町村国保担当課だけでなく、発熱外来、発熱相談センター、保護者、一般診療所への通知も行うべきだと考えます。特に、高校の養護教諭は、生徒の体調管理をしたり、相談を受ける立場にありますから、しっかりと周知しておかなければならないと考えますが、いかがでしょうか。  次に、麻疹の予防接種について伺います。  新型インフルエンザの第2波が心配される秋から冬にかけては、季節性インフルエンザを始め、さまざまな感染症が流行いたします。その中で、麻疹は1回しか接種してない中学1年生から高校3年生の年齢で、第4期の接種を進めているところと承知をしております。島根県では集団発生は今のところないようですが、昨年東京などでは大学で集団発生し、学校閉鎖になったというところもありました。島根県の接種の昨年度実績は、最終的には89%ですが、1学期末では30%しかなかったということでした。麻疹と新型インフルを同時に発症すれば重症化すると考えられます。新型インフルエンザが心配される今年度は、特に未接種の生徒には保護者を通して接種を呼びかけ、流行する秋までにできるだけ接種率を上げることが望ましいと思いますが、県の対応策を伺います。  次に、DV被害者支援のあり方について伺います。  DV被害者自立支援貸付金が平成20年度から創設、実施をされています。被害者にとって喜ばしいことだと思っていましたが、実績は2件にとどまっています。実際にはもっと利用したい被害者がいるはずですが、貸付条件が女性相談センターに保護されたもの、あるいは女性相談センターに委託されたものに限定されていること、原則退所する2日前までに申請しなければならないという要綱、規則となっているために、子供の通学や自分の仕事など、何らかの事情で委託にならずに、民間シェルターで一時保護された被害者や、委託期間が切れた後、あるいは一たん退所した後、必要が生じた場合などには借りることができません。せっかく創設された貸付金制度です。民間シェルター利用者にも門戸を開くなど、対象を広げるお考えはありませんか。  DV被害者の県営住宅優先入居について伺います。  平成16年度に国土交通省通知が出てから、島根県では空き室が出たときの優先入居をどうするのかが課題となっていました。平成20年度から入居者の選抜が登録方式から抽せん方式に変わり、優先的取り扱いをするようになったと聞いています。しかし、要綱では対象は県女性相談センターの一時保護、あるいは民間シェルターに委託された被害者となっています。民間シェルターでは、県の委託を受けず、被害者を保護することもありますが、その場合は同じ被害者でありながら優先入居の対象になっていません。県の要綱を改正し、民間シェルターで委託によらず一時保護した被害者も優先入居の対象としていただきたいのですが、お考えをお聞かせください。  また、県の委託がなければ優先対象ではないということからだと思いますが、民間シェルターの運営団体にはこの通知がされていません。このような通知は広く広報する意味があるという観点からも、関係機関には通知すべきだと考えますが、いかがでしょうか。  私は、民間シェルターの運営に少しだけですが、かかわらせていただいております。女性相談センターにも理由があるのだとは思うのですが、最近被害者側の訴えだけを聞く限り、女性相談センターへの相談を経た後、民間シェルターに相談来所された方の中に、女性相談センターで一時保護されてもよかったのではないかなと思われるものや、一時保護対象ではないけれども、別の支援方法があったのではないかなと思われるものが散見されました。もちろん職員の皆さん方は一生懸命対応されていると信じております。しかし、ケースワーカーとして女性相談センターに所属されている職員の皆さんは、専門職として採用されたわけではなく、行政職として多くは事務的な仕事につかれていた方です。自信を持ってケースワークができるようになるには時間がかかって当然だろうと思います。本来ならケースワークを経験した職員が配置されるのが望ましいわけですが、ケースワーカーが県の異動ルールにより3年で入れかわることや、県福祉事務所も順次縮小されて、今年度から全廃される昨今、幅広い社会資源を自在に使いこなせるようなケースワーカーを育てる現場が少なくなっています。  そこで、女性相談センターでは、現場で人を育てる一つの方法として、新任ケースワーカーに対しては、4月中、ベテランの相談員と一緒に面接をするということですが、全く対人関係の仕事を経験していない職員の場合、1カ月ではなかなか自信が持てないと思います。私も同じように行政職員としてワーカーの仕事をいたしましたのでよくわかるわけですが、私自身も当時は多くの先輩ケースワーカーがおられて十分な指導を受けることができる体制にあったにもかかわらず、自信を持って仕事ができるというふうになるまでには1年以上かかったように覚えております。ケース検討についても、勉強のためにということもあって、毎朝と月に2回行われていると聞いていますが、スーパーバイザーがいないということでした。スーパーバイズ機能があって初めてケース検討が成り立ちますし、人材を養成する場ともなります。女性相談センターの人事を行うときに、過去に福祉事務所や児童相談所で女性相談を経験した職員や女性相談センターにいた職員など、スーパーバイザーの役割ができる人材を最低1人は配置すべきですし、あるいはそれができなければ月2回行われる勉強会的なケース検討会には、スーパーバイズのできる人を外部から依頼することも考えられてもいいのではないかと思います。そうでなければ、全く経験したことのないケースワークという仕事をする職員の精神的負担も大きく、自信を持って支援に当たることができないのではないでしょうか。ケースワーカーが自信を持って支援に当たれなければ、不利益をこうむるのは県民であるDV被害者です。DV被害者を始め、女性相談センターに助けを求めてくる女性を適切に支援できる体制をつくるために、唯一女性の被害者等を保護することのできる機関、女性相談センターをよりよく機能させる方策について、県の考え方をお伺いいたします。  女性相談員について伺います。  女性相談センターでは、嘱託でベテランの女性相談員が配置され、電話や面接での相談場面で大事な役割を果たしています。しかし、今年度から、更新5年を超えると一たん退職扱いになり、希望者を改めて一般公募としてハローワークに求職することになったと聞きました。たとえ再度採用されるとしても、長年勤務している女性相談員のやる気を著しくそぐことになり、5年を超えて希望する相談員がいなくなるのではないかと心配をしています。そうなれば、嘱託という不安定な身分でありながらも、女性相談員という仕事に誇りを持ち、みずから研さんを積み、多くの経験を有する貴重な相談員が一度にいなくなります。現状ベテランの相談員は、陰にひなたに女性相談センターの仕事に力を尽くしていることをぜひ御理解いただきたいと思います。そして、女性相談員は女性相談のかなめであり、専門的な知識と経験を必要とする専門職であることにかんがみ、資格職と同等に考えていただいて、希望する者には更新5年を超えても勤務できる道を開くべきと思いますが、考えをお聞かせください。  最後に、DV被害者支援の県の基本的な姿勢について伺います。  DV被害者や民間支援者から見ると、県は貸付金にしても、一時保護にしても、県民の税金を使って施設や施策を設置運営しているのに、結果として狭い範囲で運営されているのではないかと思えてなりません。行政には県民への説明責任があり、だれでも対象にできないということは理解できますが、DVに苦しむ被害者の保護と自立支援は県の責務であります。近いうちに民間シェルターが一時保護を中止する動きがあると聞いております。松江市内に民間シェルターがなくなれば、なお一層県女性相談センターの責任は重くなります。県民の税金を使って運営する施設である女性相談センターは、できるだけ大きく門戸を開き、DVから逃れたい意思があり、一時保護や自立支援を望む県民である被害者を排除することがないよう、柔軟に運営しなければならないと思いますが、知事の考えをお聞かせください。  次に、高等学校のバリアフリー化について伺います。  高等学校へのエレベーター、多目的トイレ、スロープ等の設置は、改築や新築時には必ず設置をされ、そのほかにも年1校程度計画的に整備されているようですが、必要とする生徒の入学が決定しないと工事には取りかかれないと聞いています。しかし、それでは実際に使えるようになるまでに1年が過ぎてしまい、入学した生徒は希望の部活動をあきらめるなど負担をかけることになっています。エレベーターはメンテナンス費用が年間100万円程度かかるということもあって、どんどん整備を進めるということにはならないのかもしれませんが、設置された学校では身体障害のある生徒だけでなく、妊娠中の教師やけがをした生徒、教師が重い教材を運ぶ際などに役立っていると聞いています。バリアフリー法もあることを踏まえて、入学する生徒がいなくても、順次計画的に整備が必要だと思いますが、今後の設置計画をお聞かせください。  また、多目的トイレやスロープだけでもあれば助かるのになという声も聞いております。多目的トイレやスロープはメンテナンス費用はかかりませんし、設備費用も少ないですから、このたびの緊急補正予算を使ってもっと多くの学校に整備してほしかったと思いました。今後の早急な整備について、県のお考えを伺います。  次に、県立宍道高校へのスクールカウンセラーの配置について伺います。  平成22年度に開校される学習時間選択制東部独立校は、県立宍道高校と名称も決まりました。東部独立校の概要最終まとめでは、一人一人の学びを実現する地域に開かれた高等学校として、相談、支援機能を充実させ、多様な生徒に対応する学校とうたわれており、教育の特色6には、カウンセリングの充実強化が示され、多様な悩みに専門的な知識や経験を持つ人材を配置すると書かれてあります。しかし、それを支える人材であるスクールカウンセラーの配置は、国の補助基準に沿っての配置しか考えられていないようです。宍道高校は、現在の北高通信制、松江工業高校定時制の一部、南高宍道分校、出雲高校定時制を統合再編して開校する学校ですから、学習時間選択制の高校を希望する生徒が集中することになります。柔軟な単位選択ができる分、心のケアが必要な対人関係や家庭の経済状況など、さまざまな悩みを持った子供たちも、既設の学校より多く集まることが予測されます。数年後に定員は510名となりますが、現状と変わらない嘱託配置での週1回、4時間程度の勤務時間をたとえ8時間に拡大したとしても、うたわれているような十分なカウンセリングはできないと思います。生徒たちの心のケアができなければ、教師の心理的な負担も重くなります。正規職員として臨床心理士を置けば、心のケアとしてのカウンセリングだけでなく、専門家として心の教育やグループアプローチなど、思春期の生徒への有効な支援ができます。現在県では児童相談所に正規職員として心理職が採用されているのですから、学校にも正規職員として心理職を置くことは可能ではないかと考えます。何より出発段階から正規職員を置き、将来は複数配置するぐらいの見通しを持っていないと、学校運営そのものにも影響するのではないかと危惧をしております。スクールカウンセラーの正規職員配置について、考えを伺います。  最後に、公共事業の負担金について伺います。  全国知事会で、国直轄事業負担金についての議論が高まり、先ごろその内容が国から示され、退職手当や職員宿舎の整備費など、納得できないものが含まれていたと明らかにされました。全国の知事の中には、負担金は廃止すべきという方もおられますが、溝口知事は廃止でなく、見直しとし、明細開示と協議の仕組みづくりを求めておられます。協議の上、納得がいけば負担をするというスタンスだと理解をしております。その考え方については納得できますけれども、私のように家計を預かる一般の主婦感覚では、職員の退職金や職員宿舎の建設費など不透明と思われるものはやっぱり即刻廃止し、今までの負担金もそれの相当額を返還してほしいと国に求めたい気持ちになります。現実問題としては、家計の問題と同じようにはいかないということは承知をしておりますが、実際に県民の中からそういう声が上がっているのを聞いております。このような県民の思いは知事はどう受けとめられるのか、最後にお伺いをしたいと思います。  最後に、大変質問項目が多くなりましたことをおわび申し上げまして、これで質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 3: ◯議長田原正居) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 4: ◯知事溝口善兵衛) 白石議員の御質問にお答えします。私からは2点、DV被害者支援についての基本的な考え方、それから直轄事業負担金の問題についてお答えを申し上げます。  まず、DV被害者の問題でございますが、女性の方々がいろんな問題をお抱えになる、それを女性相談センターというところで、公的な仕事としてお聞きをするという仕組みになっておるわけであります。平成18年度にそれまでありました西部に加えまして、東部にもできたわけでございます。それ以降、以前と比べましてほぼ2倍ぐらいの伸びになっておるようであります。女性の相談の件数が17年度以前では大体年間2,200件ぐらいでございましたが、最近では4,000件ぐらいになっている。このうちいわゆる夫の暴力を主な訴えとするいわゆるDV相談の件数でございますが、それも17年ごろでは400件ぐらいでございましたが、今は800件に近い倍ぐらいに伸びているということでございます。DVの問題は大変深刻な問題だと理解をしております。一緒に住む身内の間で起こる、日常的に起こる暴力でありますから、大変被害に遭いますと厳しい状況に置かれるわけであります。したがいまして、県としても引き続きDV被害者の支援体制を強化していく必要があると考えているところであります。DV被害者に対しましては、まずやはり一緒に住むということができない状況になる、しかし逃げるところがないと、隠れるところがないといったことになるわけでありますから、身の安全を確保するということがまず第一に必要なわけであります。そのために公的なシェルターあるいは民間のシェルターといったものがあるわけでありますけども、そういうものをちゃんと運営をしていくということが大事だと思います。その上で、今度は被害に遭った女性の人たちが、例えば就業をするとか、それによって自立をする、あるいはそのための住居を確保するといったようなことがなければならないわけでありまして、さまざまな支援制度を活用いたしまして、さらにそういう支援におきましては、民間の方々も含めまして、関係機関との緊密な連携を図りながら、DV被害者の一人一人の実情に応じて、これ実情がそれぞれ違うわけでございますから、よく相談をして適切な支援を行ってまいりたいというふうに考えるところであります。議員からは、こうした支援に係る個別の問題につきましての幾つかの御指摘がありました。そういう問題についてもよく検討してまいりたいと考えておるところであります。  次に、直轄事業負担金の返還の問題でございます。  これは国と地方の関係というのが複雑でございまして、なかなか理解難しい問題でありますが、簡単に言いますと、国も県も結局は一つの家計なんですね。公的な部門ということなんです。ある事業が国で行われたり、県で行われたりすると。身近なものは大体地方で行われる、それから全国的な配慮が必要なものは国で行うと、これが直轄事業ということになるわけです。いずれにしても、それに係る経費は、国、県が負担すると言っても、それは国民全体が負担するわけでありまして、県が負担しないから国民は負担しなくてもいいということにはならないわけであり、事業が必要なら、それに必要な財源は必要なわけでございます。それをどういうふうな負担でやるほうが合理的かという問題でありまして、それでそれを考える際に、直轄負担金につきましては、地方から国に一定の負担をすると、それは必要があるから負担をするわけです。それで、県などが例えば国道でも、補助事業としてやる場合は国から補助金が来まして、県の財源と合わせてやるわけでございます。国、地方が同じ行政の単位として同じレベルで議論をし、話をし、相談をしていかなきゃいかんと、それが一つの分権の進行でありますけども、そういうものを応じまして今の議論が出てきているわけでございます。したがいまして、国、地方、そういう退職金の取り扱いだとか宿舎費の取り扱いなんかは、同じような取り扱いをしたほうが合理的じゃないかという考えが出てきておるわけでございます。知事会としても、どういう負担のあり方にしたらいいかということを一緒に研究をしまして、それで国交省等に申し入れていくということになっておるわけであります。  それから、事業を行うときに、国民の最終的には税金がこのコストに充てられるわけですから、そういう事業が効率的、コストを少なくして行われるようにしなきゃいかんと、そのためには国と地方の関係をどうしたらいいかということも関係してくるわけでございますから、そういうことを見ながら適切な方法を考えていかなければならないということでございます。したがいまして、負担金がなくなれば、地方の住民の方々が助かるという関係にはなかなかならないわけでございまして、総合的に考えて、事業が国、地方あわせて国民のために効率的に行われるためにはどうしたらいいかという観点から考えていかなければならない問題でございます。いずれにしましても、知事会としましては、国の情報の開示なんかが十分でありませんでしたから、そういう問題について開示を求めていくと、こういう状況にあるわけでございます。  それから、負担金そのものをどうするかというのは、今度は地方につきましては、直轄事業で例えば山陰道の整備なんかも行っているわけでございます。地方が負担しないとなると、その財源を国のほうでどう確保するかという問題があるわけです。そこがうまくいきませんと、大事な直轄事業、例えば高速道路の建設といった島根の大事なものがおくれる可能性があるわけでございますから、そういうものも考えながら、この直轄事業の負担の問題を考えなければいけないというのが私どもの考え方であります。以上であります。 5: ◯議長田原正居) 加松総務部長。  〔加松総務部長登壇〕 6: ◯総務部長加松正利) 2点についてお答えいたします。  1点目は、新型インフルエンザの対応をする職員の健康管理についてであります。  今回の新型インフルエンザの発生に当たりましては、国内での感染が初めて報告されて以降、24時間の相談体制の確保など、さまざまな対応をしてまいりました。こうした対応が長期化する中にありまして、一部の職員に業務が集中することがないよう、担当所属のみならず、部内の各課職員も交代で相談業務に当たるなど、職員の負担軽減に努めてきたところでございます。  なお、現在は相談件数の減少に伴い、深夜時間帯を除くなど、開設時間を縮小しているところでございます。  秋以降の流行が起こった場合など、今後業務量が増大する場合には、状況に応じて交代制勤務ですとか、深夜の時間帯の当直体制の実施などを検討する必要があると考えております。いずれにいたしましても、長期にわたる長時間労働は心身の健康にも悪影響があるものと考えられますので、職員の負担が過重にならないよう、健康管理には十分配慮していきたいと考えております。  2点目は、人員削減と危機管理体制でございます。  職員の定員は、恒常的な業務に必要な人員配置を基本としており、財政健全化基本方針による職員の定員削減につきましては、簡素で効率的な組織及び持続可能な行財政運営を目指して、事務事業の見直しや組織、行政のスリム化、効率化により一定期間をかけて行っていくことといたしております。  新型インフルエンザ対応などの危機管理事案が発生した場合には、第一義的には危機管理の本部的な機能を有します消防防災課や、インフルエンザの場合ですと、関連部局であります健康福祉部が対応することになりますけれども、被害が大規模化して、そのときに業務が大幅に増大するといったようなことが想定されるような場合には、その状況に応じまして、部局間の応援や外部人材の活用を行って、必要な人員を確保することといたしております。  今回の新型インフルエンザにおきましても、仮に県内で発生した場合には、保健所業務への部局間応援体制、地域によっては市町村とも連携をした相談体制を整備することも準備をしていたというものでございます。  基本方針に基づきます定員削減につきましては、事務事業の見直しや行政の効率化等とあわせて行っていくものであり、そしてそのような中で危機管理事案が発生し、一時的に業務が増大した場合には、必要に応じ部局間の人的応援をしたり、外部人材や民間委託の活用を行ったり、あるいは平素から職員の資質を高めたりするなどしながら、適切な対応ができるよう努めてまいります。 7: ◯議長田原正居) 錦織健康福祉部長。  〔錦織健康福祉部長登壇〕 8: ◯健康福祉部長錦織厚雄) 私からは、新型インフルエンザ対策とDV被害者支援の2点についてお答えをいたします。  まず、新型インフルエンザの行動計画の見直しについてでありますが、国それから県における計画は、強毒性の鳥インフルエンザを想定したものでございます。しかし、現在発生しております新型インフルエンザにつきましては、感染力は強いけれども、多くの感染者は軽症のまま回復されている、それから抗インフルエンザウイルス薬、タミフル等ございますけども、治療が有効であると、それから海外の事例では、基礎疾患を有する者を中心に重篤化する報告があり、適切な医療が必要だということが明らかとなってきております。こういうことから、国は行動計画を変更するのではなくて、病原性等の特徴に応じて弾力的な運用をすることとして、基本的対処方針、それから運用方針を示して、柔軟に対応することを求めております。  本県におきましても、国と同様に、行動計画を変更することはなく、国の運用指針等を踏まえまして、県として新型インフルエンザ対策を柔軟に実施することとしております。  また、今月19日に改定をされました国の運用指針によりますと、今後の患者数の増加に対応するために、原則としてすべての一般医療機関において患者の診療を行うこととなっております。県といたしましては、昨日島根県医師会さんに対しまして、この運用指針の改定について説明をいたしました。原則すべての一般診療所での診療をお願いしております。今後、県医師会を通じまして、一般診療所に説明を行いまして、できる限り早期に一般診療所での診療体制を整備したいと考えております。  一般診療所への県の現時点での支援体制についてでございますけども、一般診療所での診療に当たりましては、原則として、事前に連絡をして受診していただくように県民の皆さんへ周知徹底をするということ、それから患者さんが急増した場合に不足することが予測されますタミフルなどにつきましては、一般診療所でも確保ができますように、流通状況を常に把握をいたしまして、必要に応じまして県が備蓄しているものを供給することなどを考えております。  次に、発熱相談センターについてでございますけども、発熱相談センターは、発熱を訴えられる患者の中から、疑い症例の基準に照らし合わせまして新型インフルエンザが疑われる患者を見つけ、発熱外来へ誘導する役割を担ってきております。この相談には、保健師、それから医師、そういう方だけではなくて、部内、課内、それから各保健所におきましても、事務職員も担当しております。相談に当たる職員に対する電話相談対応技術の研修でありますとか、想定問答の作成、それから対応が難しい事例の場合には、直ちに相談できる医師、保健師によるバックアップ体制の構築など、組織的な相談体制の取り組みを行ってきたところでございます。  このたび、秋以降の第2波を想定をして国から新しい運用指針が示され、今後の発熱相談センターは、受診する医療機関がわからない人へ適切な医療機関を紹介をしたり、自宅療養している患者を担当医へ橋渡しをする業務が中心となりますが、実際に相談業務に従事した職員の意見でありますとか、これまでの多くの職員のノウハウを生かしまして、適切な体制がとれるようにしっかり準備を整えてまいりたいというふうに考えております。  次に、県民に対する正しい知識と理解を求める広報ということでございます。  新型インフルエンザについては、県民の皆さんが正しい知識を持って、感染者等に対する人権の尊重でありますとか、それからもちろん自分たちの予防対策を、これを行っていただくことが重要でございます。このため、これまでも新型インフルエンザにつきましては、「フォトしまね」や「考える県政」での広報でありますとか、パンフレットの配布、それから県政特別テレビ番組等によりまして、広く県民の皆さんに対して啓発してきたところでございます。また、これまで県民の皆さん、それから施設や医療機関の皆さん、それから企業の皆さん、それから市町村等に対しまして説明会も開催をしておりまして、延べ9,000名の方に聴講をいただいております。今後も感染力、それから毒性などにつきまして正確な情報を随時提供するとともに、正しい知識の普及を行うと、そういうことで差別や偏見が生じないように、引き続きあらゆる媒体を活用した啓発広報を実施してまいります。  次に、新型インフルエンザにおける国保資格証明書などの取り扱いについてでございます。  まず、高校生の子供さんを持つ保護者さんに対しての働きかけについてでありますが、特に県から私どもが市町村に働きかけるということではございませんけども、このたびの新型インフルエンザが高校生を中心に感染が拡大した事例が見られておりますことから、秋の流行期に向けた対策の一つとして、市町村が高校生の子供のいる資格証明書交付世帯に対して、早目に短期の被保険者証に切りかえておくように理解を求めることはよいことであると思っております。県としては、国のいろんな方針でありますとか、新型インフルの情報等を市町村の保健担当部局のほうにも的確にお知らせをしていくということだと思っております。  また、高校生に短期の被保険者証を交付すべきとの御指摘でございますけども、発熱外来において、資格証明書を被保険者証とみなす取り扱いとされておりますことから、新型インフルエンザにつきましては、円滑に受診できる環境は確保されていると考えております。  次に、発熱外来の資格証明書の取り扱いに係る国の通知につきましては、現在国保保険者でございます市町村、それから発熱外来を設置をしております医療機関、高等学校及び特別支援学校に対して通知をしておりまして、養護教諭の方も承知をされているものと考えております。  なお、保護者につきましては、資格証明書交付世帯に対して市町村から周知をしておりますし、一般の医療機関につきましては、中四国厚生局を通じて県医師会から周知が図られております。  次に、DV被害者支援についてでございます。  まず、DV被害者自立支援貸付金制度の対象者の拡大についてでございます。  この貸付金制度の対象者につきましては、女性相談センターが一時保護したDV被害者で、退所後の収入の確保が見込め、それを得るまでの資金確保が困難な者となっております。県が行う一時保護は、加害者の追跡等の可能性を考慮をいたしまして、被害者の身の安全の確保と、そのための情報管理の徹底を最優先としております。一時保護所での生活においても、外部との接触は認めないため、身一つで逃げ出してきたまま、親戚や知人等に支援を求めることもできない状態にある人も多いわけでございます。この貸付金制度は、そうした被害者の外部に支援を求める上での困難性や債権管理上の問題も考慮いたしまして、県が行う一時保護の利用者を対象としております。当面まずは利用状況の推移、それから利用者の意見聴取を行うなど、実態の把握に努めることとしております。貸付金の拡大をすること、そのことにつきましては、その後の検討課題としたいというふうに思います。  次に、新任ケースワーカーの初期養成体制等についてでございますが、新任ケースワーカーの初期養成体制といたしましては、4月、5月の早い時期に市町村職員も含めまして、初任者研修と制度説明会を開催をいたしまして、女性保護施策の概要について理解を図っております。それとあわせまして、日々の業務の中で面接相談への同席でありますとか、ケース検討会でのグループ討議等を通じまして、実践的な技法や知識を身につける訓練を行っております。ほかの職員や相談員が受ける面接相談に同席をいたしまして、相談技法等を学ぶ訓練については、4月の1カ月で打ち切りということではなくて、以後も随時支援困難ケースに同席をいたしまして、知識や技術を磨く機会としております。ケース検討会におきましては、自由に意見交換をいたしまして、共通理解と認識を深め、それから所長や分室長あるいは外部から招いた講師がいわゆるスーパーバイザーとしてケースワーカーに対し助言して行っております。また、年に最低1回から2回は県外から専門の講師を招きまして研修等を実施しておりますし、センターの嘱託や弁護士相談等を活用しまして指導助言を仰ぐなどしております。こういうことを通じまして、職員の全体のレベルアップに努めまして、相談支援機能の強化を図っているところでありますし、今後もその考えで取り組んでまいります。  次に、女性相談員についての御質問でありますが、女性相談員さんにつきましては、女性相談センターに松江3名、大田2名、出雲、浜田、益田、隠岐の各県児童相談所に計5名の合わせて10名おいでになります。女性相談員は社会的信望があり、職務を行うに必要な熱意と識見を持つ者の中から知事が委嘱するものでございまして、本県の10名の方々もさまざまな経験と知識を蓄積されたベテランの方でございまして、女性相談の現場を支えていただいております。そうした相談員の方々の業務に対する意欲と骨身を惜しまない取り組みに対しましては、深い感謝とともに、しっかりと受けとめて、敬意を表したいと思っております。  女性相談員が担当する職務内容から求められる能力、一人一人の固有の人生の中で蓄積されました経験や知識、それにより培われた柔軟な物の見方が大切でございます。したがいまして、資格職相当として一律の基準により評価するんではなくて、さまざまな個性を尊重し、広く人材を求めることがふさわしいとされているところであります。その採用に当たっては、透明性確保の観点から公募制が好ましいと考えておりまして、現在頑張っていただいている相談員の皆さんにはぜひまた応募をいただき、その知識と経験を生かしていただくことを期待をしております。以上でございます。 9: ◯議長田原正居) 鳥屋土木部長。  〔鳥屋土木部長登壇〕 10: ◯土木部長鳥屋均) 民間シェルターで受け入れたDV被害者の県営住宅優先入居についてであります。  優先入居者については、他の住宅困窮者との公平性を損なうことがないよう、その対象者であることを明確な根拠に基づき確認する必要があります。このためDV被害者については、現在女性相談センターなどの一時保護の証明や裁判所の保護命令などを踏まえて優先入居の対象としております。また、一時保護の委託を受けていない民間シェルターにつきましては、DV被害者の公的な証明が可能な状況となれば対応してまいります。  次に、関係機関への優先入居の通知についてであります。  DV被害者に関する県営住宅の優先入居の取り組みについては、県のホームページで情報提供するほか、市町村や土木部の地方機関、県の関係部局を通じ周知を図っており、引き続き周知に努めてまいります。 11: ◯議長田原正居) 藤原教育長。  〔藤原教育長登壇〕 12: ◯教育長藤原義光) まず、インフルエンザ対策に係ります学校への予算の措置についてであります。  各学校における保健予算は、学校管理運営費の内訳として、各学校の状況に応じて執行されております。その配分状況は各学校ごとに規模や運営形態などによって差があるのが現実であります。今後学校における未然防止のための標準的な保健指導を徹底するとともに、冬季に向けての新型インフルエンザや季節性インフルエンザへの対応の万全を期すということについての必要があると考えております。発生状況や各学校の実態を見ながら、必要があれば追加配分を検討していくこととしております。  次に、学校での備蓄品と保健指導についてであります。  県の教育委員会では、公立学校等における対応マニュアルの中で、学校で備蓄すべき物品の例を示しておりますが、必要物品やその数量につきましては、各学校が児童生徒数、学級数、施設設備等の状況に応じまして、それぞれの学校で考えて備えることとしておりまして、一々細かいことまでの数量等の詳細までは示しておりません。学校における未然防止に係る保健指導としては、手洗いやうがい、せきエチケットなどの標準的な予防策が効果的であると考えておりまして、今後も管理職や養護教諭が中心となりまして、この予防策を徹底してまいります。  また、県の教育委員会のホームページに、新型インフルエンザに係ります最新情報を逐次掲載をしております。このホームページは、スピーディーでシンプルで最も有益な情報提供だというふうに担当のほうも自負しておりまして、各学校ではこれを参考にしてもらっておるというふうに考えております。  次に、学校における緊急連絡網の整備についてであります。  学校における緊急連絡網につきましては、各学校の対応マニュアルの中でそれぞれの実情に応じた連絡体制が整備され、生徒や保護者に緊急連絡が確実に伝わるよう対策が講じられているというふうに考えております。小中学校においては、県内すべての学校で保護者の了解を得て、学級ごとの緊急連絡網が作成されております。一方、県立学校においては、緊急連絡網は作成をしませんで、インターネットと携帯メールを活用した緊急連絡システムを導入している学校もあります。この場合、加入登録してない生徒やメールが届かなかった生徒に対しまして、教員が個別に電話連絡するということで、対応がなかなか大変な面もあるというふうに聞いております。各学校とも最近では、個人情報保護の観点から非常に苦労をしております。しかしながら、必要な連絡のためには、どうしてもそういう連絡網が必要でありますので、保護者の理解を得ながら必要な危機管理の体制づくりに努めておるところであります。  次に、麻疹の予防接種についてお答えいたします。  ことしの秋に新型インフルエンザの第2波と感染力の強い麻疹とが同時に感染するということは避けたいところであります。麻疹の予防接種については、平成20年度からの5年間、中学校の1年生と高校の3年生は、すべての市町村において接種は無料となっております。県の麻疹対策会議、ここが中心となりまして、この対策会議の指導のもとに、県立学校の校長会などを通じまして要請するなど、麻疹に対する理解の促進と接種の勧奨を行っておりますし、今後も行ってまいります。  高等学校のバリアフリー化への取り組みについてのお尋ねがありました。  まず、第1点目として、入学する生徒がいなくても計画的な整備が必要でないかというお尋ねでありますが、すべての学校においてバリアフリー化が実現するということは理想ではあると思いますが、県立学校の整備を担当する立場としては、どうしても優先順位をつけて実施せざるを得ないのが現状であります。基本的には、高等学校、特別支援学校のすべての県立学校の中で、バリアフリー化を必要とする生徒などの在学とか入学の予定のある学校を優先的に整備を行っております。その考えに基づき、平成11年度以降は、改築時には標準的な整備として当初から全部そういう対応をすると。また、既存施設へもエレベーターや多目的トイレの設置、段差解消などを行うなど、必要性を予測しながら計画的に進めております。  次に、2点目の今後の整備についてでありますが、平成20年度の2月補正以降の経済対策関係を合わせますと、約2億円の予算措置を行っておりまして、約15校で段差の解消、トイレの改修、エレベーターの設置を行うなどの対策を講じていくことといたしております。  最後に、県立宍道高校へのスクールカウンセラーの配置についてのお尋ねであります。  学習時間選択制高校であります宍道高等学校は、午前部、午後部、夜間部の定時制と通信制を設置した単位制の高校でありまして、新しいタイプの普通科高校として、来年の4月の開校を目指して現在最終的な準備を進めております。近年の定時制、通信制高校には、勤労青少年のみならず、自分のペースや興味、関心に合わせてじっくり学びたい生徒、不登校傾向のある生徒、全日制を中途退学した生徒など多様な学習ニーズを持った生徒が入学しております。こうした生徒に対応するためには、宍道高校にも教育相談体制の充実を図っていく必要があると考えておりまして、御紹介がありましたように、学校の新しい一つの特色にもしていきたいというふうに考えております。  現在、専門的な知識や経験を持つ人材の配置を検討しておりまして、そういう専門的な知識、経験という中にもちろんスクールカウンセラーも入れながら検討しております。具体的には、教員の職員あるいは教育関係者がいいのか、そうしたスクールカウンセラーがいいのか、他の専門領域との連携の調整はいかにあるべきか、また他県の同じような学校の状況も踏まえながら、適切な人材の配置を開校までに決定していきたいと考えております。以上でございます。 13: ◯議長田原正居) 白石議員。  〔白石恵子議員登壇〕 14: ◯白石恵子議員 2点ほど再質問をさせていただきたいと思います。  DV被害者支援についてでございますが、貸付金について、1年しかたたないということもあって、実態把握ということで、その後考えるというお答えをいただきました。実態把握をされますときに、貸し付けを受けられた方だけでは、貸し付けを受けられなかった方の御不便は把握はできないと思いますので、なかなか難しいとは思いますが、例えば民間シェルターで保護された方等にそういう方がいらっしゃると思いますので、ぜひ民間シェルターを運営されている関係者の皆さんの御意見等も参考になさって、今後の拡大について取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  それからもう一点は、女性相談員についてでございますが、十分女性相談員の専門性、有用性は理解していただいていると思います。ですが、先ほどのお答えですと、それよりは県の募集に係る透明性といいますか、そちらのほうが優先されているやにお聞きをいたしました。私が申し上げているのは、そういった相談員としての専門性、そして10名おられます相談員がいかにこれまで自分のお金を使って、本当に自主的に一生懸命研修や勉強をされて培ってこられたその能力あるいはノウハウは、県としても非常に大きな財産と思うわけです。そういう意味から、一般公募ではなくて、やはり毎年毎年更新という手続はあったとしても、5年を超えて継続をして雇用する道を開いていただきたい、そういう趣旨で質問をいたしましたので、その点について再度お答えをいただきたいと思います。以上でございます。よろしくお願いします。 15: ◯議長田原正居) 健康福祉部長。
     〔錦織健康福祉部長登壇〕 16: ◯健康福祉部長錦織厚雄) 2つの点についてお答えをいたします。  まず、女性相談員、非常に今一生懸命10名の方、頑張っていただいている、それはそのとおりでございまして、それは私どもも大変ありがたく思っているところであります。それで、採用につきましては、県の広い中において、一般的な資格とか、そういうものを持たないで一生懸命努力していただいている方がおられます。そういう中で、私どももこの相談員の皆さんというのは、非常にそういう中でも特別に頑張っていただいているということは理解しております。だから、その採用の考え方そのもの、そのものはこれ今回の資格とか免許とか、そういうところである程度一定の線を引かれると、そういうことについては今回やむを得ないというふうに考えておりまして、相談員の皆さん方の採用については、公募をしていくしかないというふうに考えておる、そういうことでありますので、私どもとしてはぜひ受験をしていただきたいというふうに思っております。  それから、もう一つの貸付金の話でございますが、それも確かにつくったばかりでありまして、今これが2件でございまして、うまく運用されているかどうか、その貸付条件等がどうかと、そういうことをまず見るということが必要だと思います。それからもう一つは、知事のほうからも申し上げましたとおり、こういうDV被害支援につきましては、民間の方々とも一緒になって、連携をとって対処していくということとお答えしております。そういう協議の中で、そういうお話もしっかりお聞きしていきたいというふうに考えております。以上でございます。 17: ◯議長田原正居) 大屋議員。  〔大屋俊弘議員登壇、拍手〕 18: ◯大屋俊弘議員 自由民主党議員連盟の大屋俊弘でございます。  まず、質問に先立ちまして、先日お亡くなりになられました澄田信義前知事の御功績に敬意を表する次第であります。5期20年間の長きにわたり県政のリーダーとして、県土の均衡ある発展を目指し、おくれていた石見、隠岐の整備に御尽力されたことに深く感謝を申し上げるとともに、謹んでお悔やみを申し上げる次第であります。また、御冥福をあわせてお祈りをいたす次第であります。  さて、私も久しぶりにこの一般質問に立たせていただきました。2年ぶりでございます。まず1点、知事の今後の県政運営について、それから観光振興について、それから3番目に、未利用県有財産の諸問題について、この3つを一般質問をさせていただきますので、どうか執行部の皆さん、よろしくお願いをいたします。  知事は就任された2年前の6月定例会において、県民の皆様からの大きな期待をしっかりと受けとめ、県民中心の県民に信頼される県政を目指すと表明され、そして5つの基本的な方針のもとに県政運営に当たっていく考えであると述べられました。県民の声をよく聞き、それが県政に反映される体制を築くこと、県民の声を聞いた上で迅速、果断に行動し、その過程では議会と率直かつ緊密な意見交換を行うことなどといった内容のものでありました。そして、具体的に最重要課題として位置づけ積極に取り組んでこられたのが、産業振興・雇用促進と財政健全化の2つであります。産業振興・雇用促進に当たっては、就任早々、産業振興の具体的な戦略を取りまとめるために、しまね産業活性化戦略会議を、また雇用のミスマッチ解消や企業が必要とする産業人材の育成などに効果的に対応するために、雇用対策推進会議をそれぞれ設置され、同年11月には「しまね産業活性化戦略第1次とりまとめ」を公表されてきたところであります。これまでの間、その方向性に沿い、厳しい財政運営の中にあって、積極的な予算編成と効率的な組織見直しをされてきたと思っております。また、財政健全化においても、5月に改革推進会議を設置され、半年後の10月には、おおむね10年後に130億円程度の基金を確保した上で、給与の特例減額などの特例措置なしに収支均衡の状態にすることを目標とした財政健全化基本方針を策定され、平成20年度、21年度の2回の予算編成作業をされてきたわけであります。  財政状況が極めて厳しい中にあって、産業振興に限らず、あらゆる分野での振興策、支援策を展開され、御苦労が絶えなかったと思いますが、そうした中、アメリカに端を発した世界的な金融危機の波が本県経済界にも押し寄せ、知事の県政運営にも大きな影響を及ぼしていると思います。このいまだおさまりを見せない巨大な波は全く予想外のものであったわけでしょうが、知事は就任後2年間を振り返られ、これまでの県政運営をどのように評価、分析されているのか、その所感をお聞かせください。  次に、今後の2年間の県政運営についてお聞きをいたします。  就任時には、産業振興・雇用促進、財政健全化の2本柱のほかに、農業の担い手育成、観光振興、中山間地域対策、医療、福祉など多くの重要課題の解決に向け意欲を見せておられました。中でも、島根県、特に石見の者にとっては悲願であった石見銀山の世界遺産登録が知事の人脈にもより実現したことは大きな成果であったと思っております。このほかにも大きな成果があるわけですが、その一方でいまだ積み残されている課題、またはその後問題視されている事柄等があると思います。そうした課題をどうとらえ、今後2年間の県政運営をリードしていかれるのか、お伺いをいたします。  島根県は東西に長い上、隠岐という離島もあることから、地域ごとに自然環境、歴史、文化、資源、産業などがそれぞれ異なっております。島根の総合的な発展を図るためには、各地域、地域の個性や特徴を生かし、地域の存在価値や魅力を最大限に引き出しながら取り組んでいかなければなりません。しかし、出雲、石見、隠岐の3地域を比較した場合、地理的条件等に大きな差があるため、3地域のバランスを考えながら施策展開を図ることが必要であります。今後バランスある県政発展に向けどのように取り組んでいかれるのか、伺います。  現在、国は世界的経済危機に直面していることから、昨年度の1次補正予算以来、切れ目なく大型の経済対策を打ち出しています。昨今の経済情勢を考えると、必要不可欠な予算だと思いますが、一方では赤字国債の発行など、将来に不安を残す現実もあります。県も国のこうした予算に呼応する形で予算編成をされてきています。予算編成に当たり、どのような思いで臨んでおられるのか、伺います。  特に、過去2年間、知事さんにおかれては、県内の市町村それぞれの地域へ出向いていかれて、地域の人、県民の方々、あるいはまた地域の道路事情、あるいは地域の資源等々、いろいろと触れ合い、そしてまた県民との語らい、そしてまた地域の実情をよく現場に行って見られたということを私も感じておりますが、過去2年間のそういった地域の事情を身近に見られた、そういった感想も踏まえて、今後のこの2年間の県政運営をどのように当たられるのか、そういったことも踏まえてひとつ率直な感想を踏まえた御意見もお聞かせ願えればと、このように思います。  次に、観光振興について伺います。  2年前の石見銀山の世界遺産登録以来、出雲大社の平成の大遷宮、NHK連続ドラマ「だんだん」の放映、水族館アクアスのシロイルカのバブリングなど、島根県の観光産業を後押しする大きな追い風が吹き、観光客入り込み延べ数は5年連続の増加となり、過去最高の2,870万人となりました。しかし、その後も高速道路通行料金の引き下げといったプラス要素があったものの、昨年秋以降の世界的経済不況の影響や新型インフルエンザの国内感染の拡大など、マイナス要素のほうが大きく、全体的に低調に推移しているようであり、これからの動向が大変気になるところであります。  今回の補正予算案には、観光立県しまね推進事業として8億1,000万円の積極予算を組んでおられますが、今後の観光動態の予測とどの点に重点を置いて予算編成をされたのか、お伺いをいたします。  本事業には、快適地しまね魅力アップ事業として、広域観光案内板や道路案内サインといった情報発信・提供のメニューがあります。県内各地を車で走っていますと、ここに案内板が必要だと思う箇所もあれば、案内板が乱立してお互いがお互いを打ち消し合っているところもあります。観光動態調査によれば、観光客のうち自家用車利用者の割合は、日帰り客について約8割、宿泊客については約5割を占めておるところであり、自家用車利用の多い県内観光においては、このような案内板は重要な情報提供手段であります。設置に当たって効果的な方法があればよいと思いますが、どのように整備されるのか、その考え方をお聞かせください。  去る6月2日に、観光庁発足後初めての「観光白書」が発表されました。その中身を見ますと、平成20年度の国民1人当たりの国内宿泊観光旅行回数は1.55回、国内観光旅行宿泊数は2.44泊で、ともに前年度を若干上回っているものの、旅行の牽引役であった60歳代の旅行が平成16年度の1人当たり2.36回が約2割落ち込み、19年度には1.86回となるなど、全国的に観光客の減少傾向にあります。平成20年の訪日外国人旅行者数を見ますと、835万人となり、下半期に世界的な景気後退や円高の急進の影響を受けつつ、過去最高を達成しています。平成15年度から始まった政府のビジット・ジャパン・キャンペーンにより、全国的に官民挙げて外国人観光客の誘致に取り組んでいる状況にあります。  一方、本県におきましては、外国人観光客が多い国、地域として、台湾、韓国、アメリカ、中国の順に続いております。しかしながら、本県の観光動態調査によりますと、台湾からの観光客が大幅に落ち込んだことから、平成20年の外国人延べ宿泊数は3万2,150人と、対前年1.7%の減少となっております。外国人観光客の本県への誘致対策が必要と考えますが、外国人観光客の来県の促進のため、今後どのような取り組みをされるのか、これもお伺いをいたします。  現在、県東部においては、昨年5月から鳥取県西部地域と連携して、山陰文化観光圏の形成に取り組んでおられます。一方、県西部においては、平成12年10月に県、関係市町村、団体とで石見観光振興協議会を設立し、「なつかしの国・石見(いわみ)」をキャッチフレーズに広域的な取り組みを行っておられます。先月29日に協議会の総会が開催され、私も出席をさせていただきました。昨年度初めて石見神楽の夜間公演を開催したところ、大変な盛況であったことから、今年度は期間を2カ月半から4カ月に延長し、また会場も2カ所ふやして7会場で開催することが総会で決定され、石見神楽が石見地域の一つの魅力として内外に受け入れられてきたとうれしく感じたところであります。総会終了後、島根県の観光戦略アドバイザーであるひろでん中国新聞旅行株式会社の有田隆司氏の「石見地域の魅力と可能性について、地域力の検証と対策」と題して講演があり、今後石見は食のおもてなしが必要だと力説され、私も共感を覚えました。しかし、県は支援はできても、その主体として取り組んでいくことはできません。主体はあくまでも観光業者であり、農林水産物の生産者であり、それにかかわる関係団体であります。また、観光産業は、宿泊業、飲食業、運輸業、さらには農林水産業など、さまざまな産業と密接に関係する総合産業であるため、観光振興を図る際には、他産業と連携しながら推し進めなければ、効率的、効果的な効果は発現しません。  そこで、県として食による魅力向上を図るために、農林水産業など他産業とどう関連づけていくのか、また今後、関係団体に対してどのようにかかわっていこうとされているのか、これもお伺いをいたします。  平成12年4月にオープンしたしまね海洋館アクアスは、中四国地方最大級であり、石見地域を代表する集客施設となっております。また、浜田自動車道の浜田インターチェンジに近く、また広域幹線道路である国道9号線に接していることから、規模的にも、位置的にも石見地域観光のコア的施設だと考えています。開館以降、入館者数が減少し、平成17年度には40万人を下回り、38万3,000人まで落ち込んでいましたが、平成18年度のシロイルカのバブリング、翌年度の携帯電話会社のCM宣伝、さらには昨年11月のペンギン館オープンなどの効果により、近年入館者が増加してきております。しかし、シロイルカの妊娠が確認されたことにより、この4月からシロイルカショーが中止となり、今後の入館者の減少が危惧されていますが、地元の方々からは、シロイルカの出産に大きな期待が寄せられており、繁殖施設の一日も早い完成の声が聞こえてきます。6月補正には国の経済対策を活用した施設整備予算が計上されておりますが、早期完成に向けて施設整備の考え方及び今後の対応についてお聞かせください。  先ほど申し上げました石見観光振興協議会の総会、講演会に引き続きまして、地元の4市長、5町長等の方々による石見の観光振興についてパネルディスカッションが開催され、観光戦略や広域的な連携の中でのおもてなしのあり方、宣伝広報について意見交換をされています。各市町の観光戦略をお聞きしますと、ほとんどが共通したものであり、ポイントは地域の観光素材をもう一度見詰め直して、販売の工夫等をされているとのことであります。おもてなしについては、観光客にとっては石見地域内に入れば何とかなる、そういうおもてなしをすることが必要であり、地域で連携した取り組みが必要であるとのことでありました。石見は全国的にも出雲や隠岐と比較して知名度が低く、これは県西部地区の観光客数が県東部地区の約3分の1となる年間延べ709万人であること、また県全体の観光客に占める割合においても25%と少ないことからもうかがえます。また、観光客も県内や近隣の県からの割合が高くなっております。こうしたことから、観光客を長時間引きとめ、宿泊を伴う滞在型の観光へと移行していく必要があると思っております。そのためにも石見の観光振興の推進母体である石見観光振興協議会を中心として、官民が連携され、また担当者レベルでも常日ごろから情報の共有を図られ、神楽などテーマ性を持って取り組まれることが石見地域の観光振興を図っていく上で重要であると考えます。  最後に、知事にお聞きします。  県東部では、山陰文化観光圏の取り組みが進められております。石見地域における観光振興についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  次に、3番目の未利用状態にある県有財産の売却及び有効活用について伺います。  本県の財政は今後も多額の収支不足が見込まれる危機的な状況にあり、自主的に財政健全化を進める必要性から、県におかれては中期財政改革基本方針及び財政健全化基本方針に基づいた財政健全化に向けてのさまざまな取り組みがなされています。県の組織体制については、市町村合併の進行などにより簡素で効率的な体制が求められ、その結果、利用されなくなった土地、施設がふえてきています。こうした中、平成18年度には総務部管財課内に県有財産活用推進スタッフ3名が配置され、未利用県有財産の売却と有効活用について集中的に取り組む体制が整えられました。そこでは企業会計財産を除く県全体の未利用財産に関して一元的な実態調査、情報収集を行い、現状把握に努めるとともに、個々の財産ごとのカルテや毎年度の売却目標を定めたアクションプログラムを作成されるなど、具体的かつ計画的な取り組みを行っておられます。このアクションプログラムには、毎年度2億5,000万円、5年間で12億5,000万円という未利用財産の売却目標を掲げてあります。また、入札予定価格に事前公表制度を導入したり、県内の未利用財産全般についての情報を県内外に広く提供するためにホームページを活用したり、さらには全国的に売却情報を発信するインターネット公有財産売却システムを導入するなど、積極的に実施をしておられるところであります。  県におかれては、未利用財産について、引き続き売却推進に取り組んでいかれるものと理解しておりますが、どのくらいの未利用財産が現段階で存在しているのか、これまでの売却実績はどの程度あるのか、あわせてお伺いをいたします。  また、こうした景気が低迷している現状において、未利用財産の売却促進に向けて、これまでにもさまざまな取り組みを行っておられると思いますが、その取り組み状況について伺います。  最後に、中山間地域の元職員宿舎で、現在未利用となっているものについては、その有効活用を図る観点及び本県の定住促進施策を推進する観点から、地元市町村と連携をして、定住希望者や産業体験希望者向けの住居として活用していくことが非常に有意義なものになると考えますが、この点についてもあわせて現状をお聞かせください。  以上で私の質問を終わります。どうか答弁のほうよろしくお願いをいたします。(拍手) 19: ◯議長田原正居) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 20: ◯知事溝口善兵衛) 大屋議員の御質問にお答え申し上げます。  最初に、就任後、これまでの県政運営をどう評価、分析しているかという質問がございました。  島根の現状を見ますと、少子高齢化が進み、全体として活力が少なくなっていく状況にあるわけでございます。この問題をどう打開するかというのが最も大きな課題だということで県政に当たっておるわけでございます。そのために、この活力ある島根をいろんな政策によって実現をしていかなければならないと、そしてそういうプロセスにおいても、いろんな景気変動とかありますけども、県民の方々が安心して豊かに幸せに生活できるような施策も講じていかなければならないというふうに考えて、そういう考え方に基づいて県政に当たっているとこでございます。  活力ある島根を築くためには、やはり産業を振興し、この地に雇用がふえて、県外に流出する若者たちがこの地にできるだけとどまるようにするということが大変大事なことでございます。そのために農林水産業、観光、製造業、IT産業等々、県内産業の育成でありますとか、県外からの企業誘致などに努めてまいらなければなりません。また、そういう産業振興をするためには、必要なインフラの整備も必要でございます。全体としては、活力ある島根に向かうように、目指す方向に動きつつあるなというふうには思います。しかしながら、これには時間がかかるものでございます。粘り強く取り組んでまいらなければならないというふうに考えております。  また、当面の話といたしましては、昨年秋以降の経済危機によりまして、県内産業あるいは県民の生活を取り巻く環境は非常に厳しいものがあるわけでございまして、当面の課題としては、そういう中にあって景気後退に対処するための経済対策を打っていかなければならないということでございます。2月議会、本議会、補正予算を2次にわたりまして提出をしておるとこでございます。これは他方で、中長期的な先ほどの産業振興にも寄与するもんだと考えておるわけでございます。需要を創出することによって雇用が維持され、県民の生活が安定するのに大いに役立つわけでございますが、そういう事業を行うことによって、例えば道路の整備が進む、あるいは産業振興のための予算が使用される、あるいは観光振興のための予算が使用されるということで、両方に寄与するもんだと思います。私はそういう意味で、現在の経済状況、大変厳しい状況にありますが、いわば苦境をばねにして飛躍するような努力をしなければならないというふうに思うわけでございます。  他方で、こういう施策をとっていくためには財源が必要なわけでございます。島根県の場合は、交付税を初め、国の財源措置に大きく依存しているわけでございますから、そこが変わりませんと、なかなか大きな対応というのはできないわけでございますが、この点につきましては、近年島根県と同じような状況にあります地方から、国会議員の方々あるいは県議会、あるいは知事会等を通じまして、国に地方に対する配慮を要請をしてきているわけであります。それに基づきまして、最近では少し流れが変わって、地方に配慮した予算が国において計上されるようになってきてるということでございます。それが2次にわたる補正の大きな財源になっているわけでございます。  他方で、県自身も努力をしなければならないわけでございます。県の財政は、国によります交付税の減額でありますとか、いろんな要因によりまして、近年悪化をしておったわけでございます。そこはやはり整理をしなければ、中期的な展望に立った政策の展開というのはできないわけでございまして、私は就任当初にその問題にまず取り組みまして、財政健全化方針というのを打ち立てたわけでございますが、長年にわたって生じた問題でございますから、これは一挙には解決は無理なわけでございまして、私は10年ぐらいかけて、県民生活に大きな影響を与えないように徐々に改善をしていくという計画を立てて、それに進んでいるわけでございます。幸い今回の不況対策等につきましては、国からの財源措置がございまして、健全化の道筋には余り大きく影響しないで進んでいるというふうに考えているとこでございます。  また、議員からは、県内の状況いろいろ見ておるけども、どういう感想を持っているかというお話がございました。私はできるだけ県内各地に出かけまして、各地の現場の実情を自分の目で見、各地の県民の方々の意見も聞いてまいりました。そういたしますと、都市で過疎の島根あるいは過疎地域というイメージと大分違うなという感想を率直に言って持っております。過疎という言葉は非常に衰微するというイメージが大きいわけでございますが、各地にいろんな努力をし、元気に活動されている方がたくさんおられるということであります。それから、いろんな工夫をして、その苦境を打開しようという動きが各地に見られるということでございます。それから、個人個人ではなくて、町全体あるいは地域全体、集落全体でそういう問題に取り組んでいこうという都市にはない動きがあるということでございます。それから、各地には都市では失われているような自然でありますとか、あるいは自然の食材でありますとか、いろいろ変化する今の世の中で、そういうものに対する人々の選好がふえてきておるわけではございますが、そういうものがたくさんあるわけでございます。いわゆる地域資源があるわけでございます。それから、県内への企業の進出も近年進んでおるように思います。それはまじめに粘り強く働く県民の方々が、この豊かな地域社会をバックにしてたくさんおられるということでございまして、大企業はそうした優秀な人材を求めて立地をするというのが近年の新しい動きでございます。そういう意味におきまして、各地に力強い動きがあります。それから、各地に豊富な地域資源があります。そういうものを活用することによって活力ある島根を築いていくということは可能だろうというふうに考えているところでございます。それに向かいまして努力してまいりたいというふうに考えておるところであります。  今後の2年間の県政運営についてどういうふうに考えているのかということがございました。  基本的に今申し上げましたような活力ある島根を築いていくと、その間にあってもいろんな変動があっても、県民の方々が安心して豊かに生活できるような施策の展開を図っていくということでございます。今回の景気後退につきましては、先ほど来申し上げておりますけれども、大規模な国の対策もありまして、県としても相当額の対応策を打つことができて、これが景気高揚の下支えになっていくだろうと思っております。引き続き経済情勢を見ながら、迅速、果敢に対応していかなければならないというふうに考えておるとこであります。  それから、産業振興は息の長い中期的な取り組みが必要な分野でございます。県内製造業の競争力のさらなる強化、島根の特色を生かした農林水産業や観光の振興等を通じまして、若者が生き生きと働くことのできる雇用の場を確保することに積極的に取り組んでいきたいというふうに思います。  それから、産業の振興を図るためにも、高速道路等のインフラの整備等が不可欠でありまして、国に対しまして、基幹道路の建設の促進等を要請することなどによりまして、山陰道や尾道松江線の早期完成を目指して働いてまいりたいと考えているとこでございます。  そして、県民の方々の日々の暮らしが安全・安心でできるようにするというためには、医療でありますとか、福祉でありますとか、教育など、各種の分野におきまして必要な措置をとっていく必要があります。また、県内では過疎、離島という問題も長年にあるわけでございます。こういう問題に対しても、議会の皆さんとともに国に対して働きかけるなど、必要な対応を図っていきたいというふうに考えておるところであります。  次に、今後バランスのある県政発展に向けどのように取り組むのかという御質問がありました。  島根県は東西に長いわけであります。離島や中山間地域といった地理的な条件の非常に不便な地域もあるわけでございます。こうした状況によりまして、人口でありますとか、産業、インフラ等につきましても、地域で若干の違いはあるわけでございます。例えば深刻な医師不足でありますとか、人口の減少、高齢化の進みぐあいなどにおきましては、中山間地域で抱える大きな問題であります。さらに、中海・宍道湖圏域におきましては、一定の産業集積ができてきております。日本海でも有数な産業集積地であります。そこが島根を活性化する大きなエネルギーを供給しているという意味合いがあるわけでございます。そういうところの振興にさらに資するということも大変大事な県政の課題であるわけでございます。  それから、各地には、先ほど来申しておりますけども、固有の歴史とか、文化とか、特色のある地域資源があるわけでございますから、各地の特色のある地域資源を活用しながら地域づくりを行っていくということが必要でございます。そうした地域の実情に合ったような取り組みをすることによって、県全体としてバランスのとれた発展を図るようにしていきたいというふうに考えておるところであります。  それから、今般の補正予算の編成に当たりまして、どのような思いで編成をしたのかという御質問がございました。  まず、やはり世界的な景気後退でその影響が島根にも及んでいるわけでございますから、そうした緊急の事態に対応できるような規模の対策を打たなければならないと、これが第1点でございます。他方で、今の景気後退はまだ一挙に好転をして、かつてのような自立的な発展が進むという状況にないわけでございまして、そういう意味で、そういう今後の情勢に対応するためにも、予算の平準化でありますとか、そういう準備をしなければならないということで、そういう対応も予算の中に盛り込んでおるわけでございます。  それから、先ほど来申し上げましたように、活力ある島根をいかに築くか、あるいはそういう中で県民の方々の豊かな生活をどういうふうにして確保していくか、必要な分野に予算を配分をする努力をしてきたということでございます。  それから最後に、石見地域における観光振興について御質問がございました。  石見地域には石見銀山、津和野、アクアス、三瓶山、高津川、あるいは伝統芸能石見神楽、あるいは柿本人麻呂でありますとか、雪舟でありますとか、そういう足跡も各地にあるわけでございます。また、特徴のある美術館なども各地にあるわけでございます。観光資源も多彩なものがあるというふうに思います。さらに、食材ということで見ますと、浜田のどんちっちという魚に代表される水産資源が各地にあるわけでございます。それから、高津川のアユといったものもあるわけでございます。観光客が求める地域資源が各地にあるわけでございますが、しかしこれが点在をしているということでございます。その連関が必ずしも十分でなくて、石見というこの一つのイメージを形成するにまだ至っていないと。今まではこの石見というと、大体「いしみ」と読む人が多かったということを聞くわけでございますけれども、石見銀山というのが日本の一つの世界遺産となったわけで、それで少し石見というのも全国にその言葉が知られるようになり始めたなというようなことでございます。そういう意味におきまして、今後さらに発展をする道を歩み始めたというふうに思うところでございます。  そういうことで、議員御指摘になりましたように、石見観光振興協議会というのが近年できまして、関係市町村あるいは観光団体、業者の方々が協力して石見の振興にやっていこうという動きが出てきたわけでございます。大変意義深いものだと思います。県もそうした動きを支援をしてまいりたいと思うわけでございます。今回の補正予算におきましても、約8億円の観光振興の予算があるわけでございまして、そういうものを活用しながら、石見の振興に我々も努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。以上であります。 21: ◯議長田原正居) 加松総務部長。  〔加松総務部長登壇〕 22: ◯総務部長加松正利) 未利用の県有財産の売却等についてお答えいたします。  未利用財産については、平成20年度末におきまして、面積約26.7ヘクタールあります。売却実績ですが、平成18年度から平成20年度までの間に、中央病院跡地、これは大口ですので除きますと、約12億4,600万円余、面積にいたしまして約3ヘクタールであります。  次に、売却促進に向けた取り組みについてですが、現在県ホームページでの情報発信のほかに、財団法人島根県建築住宅センターとタイアップいたしまして、戸建ての元職員宿舎につきましては、UIターン希望者に対してもPRをしております。また、社団法人の島根県宅地建物取引業協会及び全日本不動産協会島根県本部と宅地建物取引業法に定めます媒介を行っていただくための協定を締結しておりまして、これらの団体の協力を得ながら成約につなげる取り組みを行っております。また、景気が低迷している中にありましても、戸建ての元職員宿舎等については、比較的個人顧客のニーズが高うございまして、引き合いのタイミングを逃さないよう売却に努めております。また、売却できなかった未利用財産につきましては、顧客の初期投資費用が低くなる定期借地権の制度を活用した貸し付けについて検討をしてまいります。引き続き、さまざまな取り組みを通じて未利用財産の売却及び有効活用に努めてまいります。  次に、元職員宿舎の活用についてであります。  議員御指摘のとおり、未利用財産の有効活用及び定住促進施策を推進するため、中山間地域などの元職員宿舎を活用することは非常に有意義なものと考えております。本年4月から旧匹見町にあります未利用の元職員宿舎につきまして、益田市と連携いたしまして、市の産業体験希望者用の住居として貸し付け、活用を図っております。今後も元職員宿舎につきましては、地元市町村と連携いたしまして、定住促進に向けた活用に努めてまいります。 23: ◯議長田原正居) 長谷川地域振興部長。  〔長谷川地域振興部長登壇〕 24: ◯地域振興部長長谷川眞二) しまね海洋館アクアスの施設整備についてお答えいたします。  昨年11月にシロイルカのアーリャとアンナ2頭の妊娠が判明し、現在8月から9月にかけての出産を予定しております。シロイルカが出産した場合に、現在の施設では長期の飼育が難しくなること、また今後も出産する可能性があることなどから、今般の補正予算で国の補助金を活用し、シロイルカの保護繁殖施設を建設することとしております。整備する施設は、現在のシロイルカプールとほぼ同規模の約1,000トンとしておりまして、平成21年度と22年度合わせて総事業費16億円を予定しております。これから設計を行うことになりますので、施設の供用開始は平成22年度末を予定しておりますが、シロイルカの子育て環境を整えるため、可能な限り早く完成するよう努めてまいります。シロイルカの赤ちゃんはこれまで順調に育っておりまして、いよいよ出産する時期に入りますので、7月からは一般の観覧は中止させていただき、万全の体制で臨むこととしております。シロイルカの赤ちゃんが無事に出産することにより、さらに多くの方々に来館いただけることを期待しているところでございます。 25: ◯議長田原正居) 小林商工労働部長。  〔小林商工労働部長登壇〕 26: ◯商工労働部長(小林淳一) 私からは、観光についての御質問にお答えします。  まず、観光動態の予測、そして6月補正予算についてであります。  観光動態の今後の予測でございますが、高速道路料金の休日割引といったプラス要素もございますが、一方で景気の問題、個人消費の回復が不透明な状況でございます。したがいまして、出雲大社の大遷宮、またNHKの「だんだん」の放映効果等もあった昨年の観光入り込み客数、これは過去最大であったわけですが、県全体では平成20年の数値には届かないんではないかと予測をしております。こうした中で、観光振興のためには、本県への観光誘客活動の強化はもとより、観光消費に大きく寄与する県外客の宿泊旅行の促進、また滞在時間を延ばしていく取り組みがさらに重要になっております。6月補正予算では、島根の認知度が高まりつつある中で、マスメディアを活用して大都市圏に向けた県の魅力や観光情報の発信、プロモーション活動を大幅に強化することとしております。また、快適な観光地づくりを推進するために、市町村とも連携をしながら、観光案内板やサイン、そしてトイレなどの観光基盤を集中的に整備をしていきたいと思います。また、歴史や文化、食など地域資源を活用した新たな観光商品づくりへの支援を重点的に進めていくこととしております。  次に、観光案内板などの整備の考え方でございます。  広域観光案内板につきましては、広域観光の振興を図るため、県におきまして、主要観光地、高速道路サービスエリア、道の駅、交通拠点と県内外160カ所に整備しておりまして、観光客への情報提供に努めてまいりました。この6月補正予算で整備しようとする内容は、観光施設の新設ですとか、道路整備の進展に伴いまして、地図の更新をしようということでございます。あわせて、観光客にわかりやすい情報内容としたいと思います。また、可能な限り外国語の表記を行いたいと、こういうふうに思っております。また、道路案内サインにつきましては、観光施設までの案内が複数の市町村区域にわたるなど、広域的な誘導が必要なルートなどに県が整備を行うものでございます。設置に当たっては、観光客へのアンケート調査などを行った上で、観光客の目線に立った適切な場所に、見てわかりやすい案内内容となるよう工夫をした整備を進めたいと考えております。  次に、外国人観光客への取り組みでございます。  国の2008年の統計調査によりますと、本県の外国人の延べ宿泊数は全国都道府県単位では最下位となっております。今後対策を強化していく必要があります。このため、まず外国人の方が島根の観光情報を入手しやすいように、県の観光ホームページの外国版をリニューアルし、情報発信を強化します。また、韓国、台湾、中国などの東アジア地域の旅行エージェントなどを招いて、中国5県等の連携によります国際観光ビジネスフォーラムと、こういうものがございますが、初めて本県でことし開催する予定をしております。さらには、鳥取県との連携による米子ソウル便を活用した観光客誘致など進めていきたいと思います。  本県に訪れる外国人のうちで国別で最も多い国が台湾でございます。台湾で人気の多いボタンなどをテーマに、台湾富裕層を主にターゲットとした高付加価値型旅行の拡大にも取り組んでまいります。また、外国から本県へお見えになった観光客に対してでございます。民間施設等との連携による施設割引の拡充を図るとともに、この6月補正予算では、先ほども申し上げたように、観光案内板への外国語表記、さらには外国人観光客へのおもてなし研修、こういったものも新たに取り組み、総体的に対策を強化していきたいと考えております。  最後に、食による魅力向上を図るための農林水産業等との連携についてお答えをいたします。  地域の食材、また料理、食文化は、その土地の自然環境ですとか歴史と密接に結びついたものでございます。地域の魅力を観光客にアピールする大きな要素でございます。議員御指摘のとおり、食による観光の魅力アップを図るためには、とりわけ農林水産業と観光関連産業との連携、これが重要でございます。これまで県内において生産者、また農林水産、そして観光関係団体、また行政等が連携して、地域色豊かな魅力ある食の提供に取り組んでまいりました。例えば高津川流域におきましては、日本一の清流をキーワードにいたしまして、環境にやさしい農業、また水産業が推進されております。アユの資源復活は漁協を中心に広く関係者で取り組まれるとともに、地元旅館等への食材提供につながってまいっております。また、匹見の農家レストランは、地元集落のリーダーを中心として、グループで取り組まれたものでございます。隠岐では、観光関連団体、また宿の料理長、また農林水産関係者が一体となって、隠岐名物料理提供プロジェクトを立ち上げられ、いろいろな独自メニューを作成され、それが旅行商品化されております。こうした取り組みの特徴は、地域での創意工夫がビジネスにつながっていること、そして身近な機関が連携した支援が行われているということでございます。地域素材を活用した食の魅力を向上させるために、こうした取り組みをさらに県としては促進していきたいと考えております。そのため商工労働部といたしましても、農林水産部局と一層連携を強めながら、生産者や旅館等関係団体の調整、これの強化を図っていきたいと、こう考えております。いずれにしても、観光関連業者や生産者、行政が一体となった取り組みに積極的に支援をしてまいりたいと考えます。以上でございます。 27: ◯議長田原正居) この際、しばらく休憩し、午後1時10分から再開いたします。        午後0時5分休憩        午後1時17分再開 28: ◯副議長(上代義郎) それでは、会議を再開いたします。  引き続いて、一般質問を行います。  尾村議員。  〔尾村利成議員登壇、拍手〕 29: ◯尾村利成議員 日本共産党の尾村利成でございます。  澄田前知事の御逝去に際し、まず初めに心から哀悼の意を表するものでございます。  質問の第1は、新型インフルエンザによる危機管理対策についてであります。  今回の新型インフルエンザ対策に対して必要なことは、国や市町村、関係機関と連携し、感染防止に万全を尽くすことでございます。そして、県民だれもが安心できる保健行政や医療体制を充実するなどの体制整備の強化でございます。新型インフルエンザの感染防止のためには、早期の治療がかぎとなります。しかし、高過ぎる国民健康保険料が払えず、保険証を取り上げられた資格証明書世帯が増大しております。医療費を心配して受診を我慢することになれば、重症化や死亡に至ったり、感染が拡大することにもなりかねません。5月18日厚生労働省は、国内での新型インフルエンザの感染拡大を受け、国民健康保険で資格証明書の人が発熱外来を受診した場合、短期保険証扱いとする通知を出しました。この通知内容が市町村や医療機関に周知徹底されていますでしょうか。そして、何よりも保険証を持たない資格証世帯への周知徹底こそ必要だと考えますが、これらの点で県としていかなる対策を講じているのか、またきたのか、お答えください。  また、新たな運用指針では、発熱外来は廃止し、一般医療機関で診察を行うこととのようですが、資格証世帯が一般医療機関を受診した場合にも、短期保険証扱いとすべきと考えますが、いかがですか、所見を伺います。  資格証明書の発行が増加し続ける中、資格証明書の被保険者が受診のおくれから病気が重症化し、命を落とすという事例が全国で頻発しております。島根県内においても、この痛ましい事例が発生しています。島根県保険協会は、一般被保険者と資格証明書の交付を受けた人の受診率を比較する調査を行いました。この調査は通常の保険証を持つ患者と資格証明書を発行された患者について、おのおの100人当たりの年間受診件数をレセプト件数から推計したものでございます。調査結果によれば、資格証明書による受診率は、通常の保険証を持つ患者と比較して、医科で1.88%、歯科ではさらに下がって0.89%という驚くべき数字です。医科、歯科合計では1.75%であり、保険証を取り上げられた人は、一般被保険者の約60分の1という低い受診率にとどまっております。すなわち保険証の取り上げが医療受給権を奪い、資格証明書の人は病気になっても病院には行けないという結果が示されているのでございます。  そこで、伺います。  第1に、新型インフルエンザ発生時の緊急措置として、資格証明書交付世帯に対し保険証を交付するよう島根県として市町村に強く要請すべきと考えますが、いかがですか、所見を伺います。  第2に、この問題の根本的な解決のためにも、残酷な保険証の取り上げは中止すべきであります。所見を伺います。  第3に、この間、派遣切りや雇いどめに遭った非正規労働者が増加いたしています。雇いどめに遭った労働者の中で、無保険状態に陥っている方も多数生まれています。そこで、医療保険未加入者に対する救済策を講じるべきと考えますが、所見を伺います。
     次に、介護保険についてです。  厚生労働省は、ことし4月から介護保険の要介護認定制度を変更いたしました。それは利用者への聞き取り調査項目を減らし、調査の際に介助が必要と判断する基準を狭め、認定審査会の役割を引き下げるなど、認定を軽度化するものでございます。参議院の厚生労働委員会では、厚労省がこのたびの認定方式の変更で、介護給付費を284億円から384億円削減できると明記した内部文書の存在が明らかとなりました。また、別の内部文書では、要支援2と要介護1の認定割合を現在の5対5から、おおむね7対3へと軽度の人をふやす方針を企てていることも明らかとなりました。本当に許せないことでございます。この新認定制度が導入された結果、利用者の生活実態を反映しない軽度の認定が生まれています。要介護度が下がれば受けられるサービスも制限され、これでは派遣切りならぬ介護切りだと怒りの声が広がっています。厚労省は、新認定制度の欠陥を認め、新認定制度の検証結果が出るまでの間、利用者が希望すれば従来の介護度を継続できる経過措置を講じました。しかし、経過措置が適用された場合、自治体によっては、新認定制度の判定結果を利用者に通知しないということであり、問題点が見えてこないという状況もございます。  そこで、県として、今回の認定方式の変更による影響調査を行うべきでございます。そして、国に対して新認定制度の見直しを求めるべきでございます。所見を伺います。  次に、障害者福祉についてです。  透析患者などの障害者は、福祉医療の1割負担導入による負担増に加え、多額な通院費用がかかり、経済的に大きな負担となっています。今回の新認定制度により介護度が軽度化したため、通院時の介護保険での通院等乗降介助、通称介護保険タクシーが利用できなくなり、通院の際の介助が受けられなくなった人も生まれています。このように透析患者を取り巻く状況は一段と厳しさを増しています。この現状を踏まえ、県として透析患者など障害者に対して交通費助成の支給を検討すべきと考えますが、いかがですか、所見を伺います。  次に、初期臨床研修制度について伺います。  政府は、医師不足の原因は、2004年にスタートした新臨床研修制度にあるとし、この4月に臨床制度の見直しを決定いたしました。医師不足の原因にはさまざまな要因がありますが、その大もとには政府・与党の社会保障切り捨て政治がございます。政府は医療費適正化の名で医師を抑制し続け、日本を世界でも異常な医師不足の国にしてきました。また、診療報酬の大幅削減、行革の名による国公立病院の統廃合など、国の財政負担と大企業の保険料負担を減らすために公的保険、公的医療を切り捨てる構造改革が地域の医療崩壊を加速しています。今回の臨床研修制度の見直しの大きな問題点は、臨床研修病院の指定基準を年間入院患者数3,000人以上であることとし、2年以上研修医の受け入れがないときは、臨床研修病院の指定を取り消すこととしていることであります。実績のある中小病院を指定病院から外す道理のない制度の改変では、医療崩壊はとまりません。島根県内には初期臨床研修指定病院が12病院ございますが、この新しい基準に従いますと、3つの病院が将来的に指定を取り消されるおそれがあります。  そこで、伺うものです。  第1に、今回の臨床研修制度改変に伴う指定病院の取り消しは、県内の医師不足に拍車をかけ、地域医療のさらなる崩壊へつながることが危惧されます。病院の意向を掌握し、既存指定病院の取り消しをさせない取り組みと、さらに多く研修医を確保する取り組みの強化を求めますが、所見を伺います。  第2に、各指定病院が連携し、協力し合うプログラムを確立するなどの一体的取り組みを強化し、臨床研修の質的向上と県内定着を推進するためのシステム構築を図るべきと考えますが、所見を伺います。  次に、地域医療支援についてです。  私はこの間、県内の医療機関、介護施設、看護や介護、リハビリの専門学校などを訪問し、さまざまな御要望をお聞きしてきました。隠岐の病院、そして鹿足郡の津和野共存病院、六日市病院など、離島、中山間地域の厳しい実情もお聞きしてきたところでございます。吉賀町の六日市病院では、鹿足郡で唯一の救急告示病院であり、住民の命綱の役割が期待されていると自覚しています。しかし、この間の医師、看護師不足、診療報酬の削減によって経営が大変厳しくなっています。住民の命を守るため、何としても救急は守りたいとのお話でした。津和野共存病院では、地域に根づいた医療を実施しており、病院に来れない人に対しては往診をしていますと、懸命に地域医療を守っている現状をお聞きしたところであります。吉賀町では、地元住民との皆さんとの懇談の機会を設けました。住民の皆さんからは、六日市病院がなくなったら困る、山口県の岩国市や益田市まで1時間以上かけて行くことになる、救急対応は何としても続けていただきたいとの切実な声でございました。  そこで、伺うものです。  県内の救急医療の現状と課題並びに離島、中山間地域における救急医療の確保、強化方向の御所見をお聞かせください。  私は、県内各地を歩く中で感じたことは、医療、介護、福祉、教育のあらゆる機関が連携し、お互いの現状と課題を理解し、協力し合えるような体制をつくり、地域における総合力を生かせるネットワークをつくることでございます。  そこで、提案でありますが、圏域ごとにおいて、医療機関、福祉団体、介護施設、専門学校、看護学校、市町村などで構成する仮称ですが、支援会議を立ち上げて、それぞれの団体、機関が情報交換、連携強化を図ることによって、その地域での総合力を発揮できる体制の構築を望むものでございますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。  次に、県立中央病院について伺います。  私はこれまで県議会本会議、決算特別委員会において、何度も県立中央病院の差額ベッド徴収の不適切事例を取り上げ、その改善を求めてきました。議会での答弁では、適切な運用について周知徹底を図るということでありました。しかしながら、この間また複数の方から、差額ベッド徴収に係る不適切な事例の御相談を受けました。この点、患者さんや患者さんの家族の指摘で病院側は誤りを認めるということでございました。差額ベッドに対する厚労省の通知では、患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意書の提出による同意の確認に基づいて行われる必要があるとし、治療上の必要から特別室へ入った場合は、料金請求できないこととなっています。私はこの点で、相談者から実情をつぶさにお聞きする中で、ある意味失礼な言い方ですが、県立中央病院のずるさ、対応の不誠実さがわかりました。それは例えば集中治療室、ICUから特別室に入るとき、治療上や病院管理の必要性から特別室に入れたのに、まずやることは真っ先に同意書をとるという、こういうやり方です。すなわち同意書先にありきの対応であります。  この点で伺うものです。  病院として不適切事例が多発する原因はどこにあると総括、検証しているのですか。  また、差額ベッド徴収に係る院内規定並びにマニュアルはどのようなものですか、お示しください。  そして、再発防止に向けての対処方針をお示しください。  また、過去3年間の個室の入院件数と差額ベッドを徴収している件数並びに徴収していない件数はどうなっているのか、お示しください。  これら不適切事例は、経営効率が最優先により、患者中心の医療実践、患者主人公の病院運営の精神が希薄となっているあらわれではありませんか。経営健全化の大前提は、患者である一人一人の県民を大切にし、県民の信頼を築くことにあります。病院経営において、県民に対する公正な医療サービスの提供と患者さん中心の医療サービスを提供すると宣言した県立中央病院憲章に基づく医療サービス提供を強く求めるものでございます。  少々厳しい言い方をいたしましたが、県民の中央病院に対する期待は大きいものがございます。一層頑張っていただきたいと思います。  次に、森山堤防開削に伴う汽水環境復元について伺います。  国営中海土地改良事業と中海宍道湖の淡水化事業の中止決定に伴い、5月末、森山堤防が開削されました。漁業者や住民の願いは、60メートルという小規模開削ではなく、森山堤防の大幅開削と大海崎堤防の開削でありました。しかし、旧本庄工区水域に28年ぶりに日本海の水が入り、潮流が復活したことに対し、漁業関係者の期待は膨らんでおります。宍道湖・中海は、国内有数の汽水湖として、古くから地域の漁業と食文化を支えてきました。しかし、干拓堤防の建設等によって潮の流れが大きく変化し、汽水湖特有の浄化メカニズムが失われ、深刻な水質悪化、環境破壊、漁業の衰退をもたらしたことは周知のところでございます。森山堤防開削により、中海土地改良事業は一応の終結となりました。今求められているのは、事業終結に伴う責任ある事後処理であります。それはさらなる漁業再生、環境修復など、汽水域環境の復元に向けた大胆な施策を講じることでございます。知事の所見を伺います。  県は、平成18年度から22年度の5カ年計画で、宍道湖・中海水産資源維持再生構想計画を進めております。目標値としては、宍道湖においては、平成15年の漁獲量7,443トンの維持を目標とし、中海においては、昭和50年代半ばの漁獲量1,000トンを将来目標として漁業の復活再生に向けた取り組みを行うことといたしています。両湖沼とも漁業従事者がピーク時の5分の1にまで激減している上に、現在漁をしている人の大半が60代以上で占められています。かつてのような漁場を取り戻すには、漁業環境の整備とともに、若い人が漁業に従事できる生産性が求められています。そのためにも、現在の年間3,000万円程度の中海、そして宍道湖の漁業振興予算を私は抜本的に今後増額する必要があると考えるものであります。この点で、宍道湖・中海水産資源維持再生構想の中間的な総括、そして並びに今後の施策展開ビジョン、方向性についての所見をお聞かせください。  次に、指定管理者制度について伺います。  2003年9月の導入から6年が経過し、全国的に指定管理者制度の制度欠陥が明らかとなり、企業の撤退や経営破綻まで相次ぎ、指定管理者の変更や委託料の縮減で、不安定で低賃金の非正規労働者が大量に生み出されております。総務省が2008年6月6日に発出した通知でも、公共サービスの水準の確保という観点が重要であるとしているにもかかわらず、住民が安心して安全に利用することについて、問題を生じている施設も見られるようになっています。島根県においても、3年ないし5年の指定期間が定められ、指定に当たっては原則公募とされているので、指定管理者の中には、次期公募の時点で指定にならないおそれもあることから、就業規則を改正し、全職員を1年間の契約社員にしたところもあります。現実にNPO法人出雲スポーツ振興21においては、長年勤務してきた職員を不当に雇いどめにしたり、職場に生きがいと展望を見出せず、毎年何人かが退職していくという事態も引き起こされております。県内でこのような不安定、低賃金の非正規労働者が発生し、県民サービスの維持向上の上で支障を来している施設も出ております。  そこで、4点伺います。  第1に、公共サービスを維持向上するためにも、指定管理者における安定雇用制度は不可欠であります。各施設の安全管理や賃金、労働条件の実態をきめ細かく把握すべきと考えますが、所見を伺います。  第2に、労働者の雇用の継続、労働条件を確保し、指定管理料については、労務単価基準を設け、適切な人件費を計上する仕組みを設けるべきと考えますが、所見を伺います。  第3に、指定に当たっては、これまでの実績、専門性、技術、人材などの蓄積を尊重し、経費節減重視から事業内容、専門性重視に変更すべきと考えますが、所見を伺います。  第4に、不公正な運営に当たっては、県として機敏に実地調査や必要な指示を行うべきと考えるものですが、所見を伺います。  最後に、斐伊川水道建設事業について伺います。  尾原ダムを水源とする斐伊川水道建設事業がいよいよ再来年2011年からスタートとなります。この事業は、松江市、出雲市、雲南市、東出雲町の3市1町の参画により最大日量3万5,400トンの水道用水を供給する事業であります。私はこれまで本事業の問題点として、過大な水需要予測と参画市町と島根県との協議不足を指摘してきました。それは本事業の需要予測は、人口の増加予測と1人当たりの最大給水量の増加予測に基づき算定されているわけですが、企業局の言う20年間で4%の人口増加予測、そして1人当たりの最大給水量が16.6%増加するという予測が実態とは大きく乖離しているからであります。水需要予測においては、需要予測を誤り、高い水道料を長年住民に押しつけている江の川水道事業の二の舞にならないことこそ、島根県政の教訓であったはずであります。参画水量3万5,400トンのうち、2万8,100トンという全体の8割もの参画水量を予定している松江市においては、尾原受水により大幅な水道料金の高騰が懸念されております。松江市では、上水道と下水道が一緒に料金徴収されております。昨年の4月には、下水道料金が8.66%値上げされました。さらに、合併後6年目となる平成22年度をめどに、下水道料金体系の統一を図ることとしており、平成23年度からはさらなる下水道の値上げが予定されております。その上に、尾原受水による水道料金の値上げであり、松江市民にとってはダブルパンチという耐えがたい負担増が待ち受けているのでございます。水をたくさん使うクリーニング業や旅館業者の皆さんからは、一体幾らの負担がふえるのか、こういった不安な声が高まっております。斐伊川水道建設事業費の増加は、受水団体である市や町への負担増加であり、それは住民負担の増加、すなわち料金高騰へ連動いたします。今日の不況のもとで、高い水を県民に押しつけないことこそ、県政の責務であります。  そこで、5点伺います。  まず第1に、参画水量3万5,400トンのうち、人口増によるものが1万6,100トンとの計画であります。この点で、計画時における積算根拠と今日時点における積算根拠を受水団体ごとにお示しください。  第2に、受水団体の契約水量の年次見込み、建設費等の資本費の確定時期、受水団体との協議時期など、料金算定の具体的スケジュールはいかがですか、伺います。  第3に、企業局として、料金算定は資金ベースと損益ベースのどちらを考えているのですか、その理由を含め伺います。  また、この点での受水団体からの要望並びに協議状況についてはどうですか、伺います。  第4に、ダムの基本計画が変更となりました。尾原ダムの総事業費は、平成5年、980億円であったものが、現在は1,510億円となり、当初計画の1.5倍に膨張いたしました。総事業費の5%と決められた水道関係ダム工事負担金は、当初計画49億円であったものが、現在では75億5,000万円となっています。そして、水道専用施設の事業費も増加となっています。これら当初計画からの事業費増加部分を料金算定による資本費から除外をしたり、また島根県として本事業への事業費への出資をふやすなどして、受水団体の資本費負担の軽減を図るべきと考えますが、所見を伺います。  第5に、地方公営企業法第3条は、企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないと規定しています。安定給水とともに、住民に過大な負担とならないようすべきであり、料金高騰抑制に向けた対応方針と決意を伺います。  以上をもちまして一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 30: ◯副議長(上代義郎) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 31: ◯知事溝口善兵衛) 尾村議員の御質問にお答えをいたします。私からは、インフルエンザ、森山堤防、斐伊川水道事業、3点についてお答えいたします。  最初に、新型インフルエンザに係る国民健康保険の取り扱いでございますが、緊急措置として、資格証明書交付世帯に保険証を交付するようすべきであるけども、どう考えるかということでございますが、新型インフルエンザへの感染の疑いがあり、発熱外来に受診する必要のある方で、資格証明書が交付されている方につきましては、感染の拡大防止を最優先に考え、資格証明書を被保険者証とみなす取り扱いとし、他の被保険者と同様に受診ができるようになりました。これは国の通達でございます。5月18日に出ておりますけども、そういうことで対応しておるということです。大事なことは、資格証明書が交付されてる方にこの取り扱いをきちんとお知らせをするということが必要なわけでございます。そのために保険者でありますそれぞれの市町村に周知徹底するように働きかけてきております。担当部におきまして、各市町村に状況を確認し、不十分なところは指導してきているところであります。  次に、そもそも資格証明書の交付をやめるべきではないかと、保険証を直ちにと、こういうことでありますが、実は御承知のように、本年4月の制度改正によりまして、資格証明書交付世帯の15歳以下の子供につきましては、短期の被保険者証を交付することになり、新しい道が開けたわけでございます。それは制度改正があって可能になったものでございます。しかしながら、医療保険制度が保険料を納めていただくことによって成り立っている制度であるということから、すべての世帯についてこれと同様な取り扱いにすることはなかなか難しいことでございますが、国の制度ともかかわっている問題だというふうに理解をいたしますが。  それから次に、失業したと、雇いどめなどがあって失業して、今までは被用者保険というのに入っておったけれども、今度は国保に入らなければならない、しかし国保の手続は済んでないという方がおられるわけです。その間に診療を受けなきゃいかんときにどうするかという問題でありますが、国保の加入手続を行っていない方の対応策につきましては、まず発熱外来を受診してもらうために、国保受給資格を遡及して適用できることを全市町村に周知をしております。こうした対応を徹底することによりまして、今後予想されます秋、冬の発生に備えた円滑な受診体制に万全を期していきたいということでございます。  次に、森山堤防開削に伴う汽水域環境復元についてであります。  中海土地改良事業着手以来46年の間、幾多の紆余曲折があったわけでありますけども、最終的には豊かな汽水域が残ることになり、5月末に森山堤防の開削が完了して、本庄水域での海水の行き来が始まり、水産動物、植物の移動も可能になりまして、漁業面での効果も大いに期待をされるとこでございます。また、環境ということで見ますと、既に17年にラムサール条約に加盟をし、地域住民の方々の環境保護改善のための努力もいろいろなされておるわけでございます。私どもは、こういう状況を踏まえまして、中海における漁業資源の新たな開発、活用を考え、さらに環境の保全に対しまして積極的に取り組んでまいりたいと考えておるところであります。  次に、斐伊川水道事業でございます。  御指摘ありましたように、当初計画は平成5年度にでき、それから平成14年度に事業費の見直しがなされたわけでございます。それはいろんな工事が変更せざるを得ない事情ができたことによるものでございます。1つは、尾原ダムの建設事業自身が地質調査の結果によりまして、ダムサイトの基礎工事の工事費の増、あるいは用地費補償費の増などによって27億円の増加があったと。あるいは、今度は斐伊川から水道を取水しまして、それを管によって3市1町の各世帯に給水するわけですけども、そういう水道事業のための事業費がふえたわけでございます。それは1つは、取水場や浄水場が軟弱地盤であったということが新たにわかったということでございます。他方で、企業債の利息でありますけども、これを、多分金利の低下などがあったということじゃないかと思いますけども、相当額減少して、差し引き40億円程度の計画ベースで工事費がふえたということでございます。ただ、これはまだ計画、その当時の計画ベースでございまして、まだ工事は尾原ダムは進行中であります。それから、管の施設の工事も進行中でございまして、私どもが把握しております管の、給水管にかかわる、水道事業にかかわる工事につきましては、いろんな工夫もなされて、工事費が25億円程度は減少するという見通しがあります。尾原ダム自体についてどうなるかはまだわからないわけでございますけども、そう遠からず完成をするわけでございます。そういう工事費全体の事業費がどうなるかをよく見定めて対応を考えていく必要があるというふうに思っているとこであります。そういうことでございますから、御指摘のような問題について、今私どもが検討する状況にはまだないわけでございます。  それから、料金高騰の問題につきましては、いずれにしましても水道は住民の生活にとって基礎的に必要なものでございます。可能な限り低い方が望ましいわけでございますけども、もちろんコストも賄わなければならない要請もあるわけでございます。受水団体からも受水費負担の軽減の要望などもございますから、よく受水団体等と今後よく協議をしてまいりたいと考えているところであります。以上であります。 32: ◯副議長(上代義郎) 加松総務部長。  〔加松総務部長登壇〕 33: ◯総務部長加松正利) 指定管理者制度について4点お答えいたします。  1点目は、各施設の安全管理や賃金、労働条件の実態把握についてであります。  指定管理者制度は、地方自治法に基づき、公の施設の管理主体を広く民間に開放し、施設の効率的運営を図るとともに、民間の創意工夫により施設のサービスの質の向上を図ることを目的としております。県としては、この制度のもと、適正かつ効率的な運営が行えるよう、適宜状況把握に努めております。すなわち、指定管理者の選定時におきましては、県が募集に際しまして示しました要綱や指標に基づきまして、安全管理ですとか、資格者を含めた人員配置、利用者の要望の把握、事業計画などの項目につきまして、各応募者の考え方を確認して審査を行っております。  指定後におきましても、毎年度の事業計画書や実績報告書及び毎月の業務報告書を提出させていますほか、担当部局が適宜、ほぼ二、三カ月に1回程度でございますけども、施設に直接出向いて運営状況を把握をいたしております。  なお、県といたしましては、施設の運営が適正かつ効率的に行えるかどうかという観点に基づき運営状況を把握するものであることから、一般に労働条件の詳細な把握までは行っていないというものでございます。  2点目は、労務単価についてのお尋ねでございます。  施設の管理運営を行う指定管理者に県が支払います指定管理料の積算に当たりましては、施設の適正な運営が図られるように、民間給与に準拠した標準人件費単価を設定するなど、必要な人件費を織り込んで積算をしております。他方、指定管理者である事業者が指定管理施設の運営におきまして、施設に勤務する職員に対し、どの程度の賃金を支払うかは、基本的には事業者の経営判断や労使の話し合いで決定すべき問題でございまして、県として事業者が用いる労務単価の基準を定め、それにより事業所に人件費を計上することまでは求めていないというものでございます。  3点目は、事業内容、専門性を重視した選定についてであります。  指定管理者の選定に当たりましては、いわゆる安かろう、悪かろうといった事態を招くことのないよう、サービスとコストの審査のウエートを同等に設定いたしまして、コスト面のみならず、管理運営の方針ですとか、管理運営の体制、安全面の確保、事業計画などをもあわせて審査をしております。  4点目は、不公正な運営への対応についてであります。  施設の管理運営が適正かつ効率的に行われているかという観点で、毎月の業務報告あるいは現地調査などを通じて、管理運営状況の把握を行っているところでございます。このため、例えば仮に安全管理面で問題が生じるなど、施設の適正な管理に支障が生じる場合には、地方自治法の規定に基づきまして、県として報告を求めたり、実地調査をしたり、必要な指示を行うこととなります。また、指定管理者が指示に従わないなど、管理の継続が適当でないと認められる場合には、管理業務の一時停止あるいは指定の取り消しなど、状況に応じて必要な対応を行うこととなります。 34: ◯副議長(上代義郎) 錦織健康福祉部長。  〔錦織健康福祉部長登壇〕 35: ◯健康福祉部長錦織厚雄) 私からは、大きく4点についてお答えをいたします。  まず、新型インフルエンザにおける国保資格証明書の取り扱いについてでございます。  新型インフルエンザに係る発熱外来の受診に当たりましては、感染拡大を防止する観点から、国民健康保険の資格証明書を被保険者証とみなす取り扱いとなっております。このため県から保険者である各市町村及び発熱外来を設置する医療機関、これにこの内容を通知するとともに、新型インフルエンザを担当されます市町村の担当課長、あわせまして国保を担当されている課長会議の場でも改めて説明をしております。さらに、今月に入りまして、その後の取り組み状況を把握し、重ねて周知徹底を依頼しております。  次に、新型インフルエンザが疑われる発熱患者の一般的な医療機関における取り扱いについてでございますけども、6月19日に国の運用指針が改定され、今後原則としてすべての一般医療機関において、新型インフルエンザの診療を行うこととされております。これに伴う受診時の資格証明書の取り扱いについて、速やかに通知をされるように国に問い合わせておりますが、現在検討中と伺っておりますので、この検討結果がわかり次第、関係先に確実に周知をしていきたいというふうに考えております。  次に、介護保険、障害者福祉についてでございます。  まず、新認定制度の見直しについてでございます。  今回の要介護認定の見直しは、認定調査や認定審査の平準化を図り、最新の介護の手間を反映させるといった趣旨により行われたものでございます。また、昨年度国において実施されたモデル事業や研究事業によれば、変更前の認定方法と新認定方法による認定結果の6割から7割については一致するものとされ、その要介護度別の出現状況から、一概に軽度の方がふえるものではないと報告をされております。ただ一方で、その趣旨や手法について利用者や関係機関に対して周知徹底が不足していたことから、必要なサービスが受けられなくなるのではないかという不安を助長するなど、現場の混乱も招いております。このため現在国において、要介護認定の見直しに係る検証検討会が設置をされ、客観的データに基づき、見直し後の要介護認定の実施状況を把握して、その影響について検証作業が行われているところでございます。県といたしましては、認定方式の変更後の県内の状況について注視しながら、国の検証作業の動向を見守ってまいりたいと考えております。  次に、透析患者などの障害者への交通費助成の検討についてであります。  現在、県内では1,300人余りの方が県内外の医療機関に通院をして、血液透析を受けておいでになります。血液透析を行う医療機関は現在県内に29機関ございますが、どうしても地域的な偏在が生じておりまして、遠方の機関を受診される方もございます。そのような場合には、御本人や御家族が長時間をかけて通院されております。多大な負担となっていることも承知をしております。このような状況について、ほとんどの市町村において、地域事情に配慮をされまして、交通費の助成制度を設けられておりますが、県としても、透析患者の経済的負担の実態を把握した上で、市町村の皆さんとも協議をしながら、助成のあり方について検討を行っていきたいと考えております。  次に、初期臨床研修制度についてでございます。  医師不足解消のためには、現役医師の確保とともに、将来の医師の養成が不可欠でございます。県内で勤務する医師を養成するためには、まず臨床研修病院の指定を維持し、より多くの初期臨床研修医を県内で確保する必要がございます。このため臨床研修医制度の改正につきましては、県としても要望してきているところでございます。今回の県内の臨床研修病院の指定取り消しにつながる基準につきましては、見直しをされるように国に対して要望をしてまいります。  また、研修医の確保のためには、今年度から県内での初期臨床研修を義務づけた奨学金制度を設けてはおります。ただ、研修医の確保のためには、病院の魅力アップが必要でございます。県としても、島根大学と連携をいたしまして、臨床研修病院を対象としましたプログラム発展講習会、それから指導医講習会のほか、研修医意見交換会なども実施をしております。また、県内では、大学と地域の中核的な病院の両方で研修が受けられるプログラムや、各研修病院が協力をしてそれぞれに得意な分野で研修を行うプログラムなど、研修病院間の連携が拡大をしてきております。県としましては、こうした連携の調整役となりまして、研修プログラムがより質の高い魅力的なものとなるように努めまして、研修医の県内定着を推進してまいります。  次に、救急医療の現状と課題でございますが、本県における救急医療につきましては、かかりつけ医などにより軽症者に対応する初期救急、それから救急告示病院を中心として入院治療に対応する2次救急、救命救急センターなどにより重篤な救急患者に対応する3次救急という役割分担によりまして、傷病の程度に応じた医療が受けられる体制がとられております。しかし、2次救急医療機関におきましては、医師不足などから診療機能の低下が懸念され、とりわけ離島、中山間地域においてはその問題が顕著でございます。また、軽症者の皆さんが2次救急医療機関に集中して、本来の役割に支障を来している状況も見られます。県といたしましては、引き続きまず医師確保に努めると、それから初期、2次、3次、それぞれの役割に沿った医療機関の受診が行われるよう、県民の皆さんへの啓発活動にも力を入れていくことが重要であると考えております。現在例えば益田地域、隠岐地域では、地域住民の皆さんが中心となって、いわゆるコンビニ受診自粛の啓発など、地域医療を守る活動が展開されておりますが、県といたしましても、各地域でのこのような取り組みも支援していきたいと考えております。  次に、地域の総合力を発揮する圏域ごとの地域医療支援体制についてでございますが、現在県内各圏域におきまして、圏域の保健医療計画を推進するために、地域保健医療対策会議を設置しておりまして、医療連携の方策や保健医療提供体制の確保等に取り組んでおります。この会議の構成員は、医療機関、医師会など医療関係団体、それから市町村、それから消防本部を始めとして、各圏域の課題に応じまして、福祉団体、介護事業者、大学、住民代表等を加えまして、相互理解と連携強化を図っております。この会議の構成メンバーを地域のテーマに応じて柔軟に選定することによりまして、関係者相互の情報交換や連携を通じて、地域医療の確保に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。以上でございます。 36: ◯副議長(上代義郎) 石垣農林水産部長。  〔石垣農林水産部長登壇〕 37: ◯農林水産部長(石垣英司) 私からは、宍道湖・中海水産資源維持再生構想の中間的な総括、今後の方向性等についてお答えをいたします。  平成17年度に策定されましたこの構想に即しまして、今までのところ、国土交通省、島根大学、関係する漁協や漁業者の皆さん、あるいは市や町などと連携をいたしまして、資源の維持、再生に向けた各種の取り組みを進めているところであります。これまでのところで得られております主な成果といたしまして、まず宍道湖につきましては、シジミの資源維持を目的といたしまして、湖底を耕してやわらかくする、いわゆる湖底耕うんによる漁場の改良のための技術の開発を行ってまいりました。その結果をもととしまして、現在では漁業者の皆さんがみずから湖底耕うん、あるいは天然のシジミの稚貝、子供の貝でありますけれども、これを採取して放流するといった取り組みに取り組んでおられるところであります。さらに、今年度につきましては、国庫補助事業を活用いたしまして、この補助事業にあわせて県といたしましても支援を行うことでもって、漁業者が実施しておられる湖底耕うんなどの漁場改良の取り組みを一層充実させることとしておるところであります。  また、中海につきましては、天然のサルボウ、地元ではアカガイと呼ばれておりますけれども、この稚貝の採取技術の開発に取り組んでおりまして、昨年度、平成20年度には7万個の稚貝が採取されたところであります。今後は、中間育成、放流の方法、時期や場所等といったまだ大きな課題として残っておるところでありますけれども、サルボウ資源の再生に向けましては大きく前進が見られたのではないかと考えているところでございます。県といたしましては、今後ともこの資源維持再生構想の実現に向けまして、宍道湖におきましてはシジミの資源維持を最重点の課題として、また中海においてはサルボウ、アサリといった2枚貝資源の再生に重点を置きまして、各種の取り組み、漁場の改良維持でありますとか、そのほかの各種の取り組みに、漁業者はもとより、関係する市や町などとともに進めていくこととしております。  なお、森山堤防の開削につきまして、中海において先般開削されたところであり、これによりまして本庄水域が漁場あるいは稚貝など魚介類の増殖や育成の場としての機能を回復することが期待されるところでございますけれども、これまでに実施をしてきました各種の技術の開発でありますとか、生息状況の調査、こういったものの結果を踏まえながら、さらに堤防開削の中海全体への影響、これも見きわめつつ、その水産振興施策を検討してまいりたいと考えているところでございます。 38: ◯副議長(上代義郎) 山根企業局長。  〔山根企業局長登壇〕 39: ◯企業局長(山根勝彦) 私からは、斐伊川水道建設事業についてお答えをいたします。  まず、参画水量の積算根拠についてであります。  参画水量につきましては、平成14年度の尾原ダムの建設に関する基本計画の変更に当たり、改めて受水市町村から需要予測資料の提出を受け、その積算内容について協議検討を行い、人口増減による需要増を日量1万6,100トン、市町村の簡易水道などの施設の老朽化、取水の安定化のための上水道への転換を日量1万9,300トンとし、参画水量をこれまでどおり日量3万5,400トンとしたところであります。その後、受水市町村の中には、市町村合併や人口の増減などによる水需要の変化に対応するため、見直しが行われていると聞いておりますが、参画水量の変更という話は伺っておりません。したがいまして、現時点では参画水量の変更がない中、水需要予測の見直しは考えておりません。  次に、料金算定のスケジュールについてであります。  料金算定を行うためには、受水市町の契約水量、資本費及び運転管理費が明らかになる必要があります。このうち契約水量につきましては、現在受水市町から要望を出していただいたところであり、今後調整を行い、決定することになります。また、資本費につきましては、ダム建設負担金が国の予算と密接に関係していることから、本年末にはほぼ明らかになるのではないかと思っております。したがいまして、受水市町との協議は年明けからと考えておりますが、それまでにも受水市町に情報提供し、意見交換を重ねてまいりたいと考えております。  次に、料金算定方式についてであります。  料金算定方式には、資金ベースと損益ベースの2種類の方式がございます。資金ベースの料金算定方式は、資金不足が生じない反面、企業債償還元金が減価償却費を下回れば赤字となり、一方、損益ベースの料金算定方式は、収支が均衡する反面、一時期資金不足が生じます。平成16年にそれぞれの算定方式による試算料金を受水市町にお示ししたところですが、算定方式に関する要望は伺っておりません。いずれの方式を採用するかについては、受水市町との料金設定協議にあわせ決定してまいりたいと考えております。以上でございます。
    40: ◯副議長(上代義郎) 今岡病院局長。  〔今岡病院局長登壇〕 41: ◯病院局長(今岡輝夫) 県立中央病院の差額ベッドの徴収に関する4点の御質問にお答えをいたします。  1点目は、差額ベッドの徴収に係る問題の総括、検証についてであります。  いわゆる差額ベッドは、利用者の方に料金を負担していただき、特別の療養環境を提供することが認められた個室のことを言いますけれども、現在中央病院には102床あります。議員からお話もございましたけれども、このベッドの取り扱いに関する厚生労働省通知では、原則として患者の自由な選択と同意をもとに提供すべきもので、その意に反して行ってはならないとされています。また、同意書による同意の確認を行っていない場合や、医師が患者本人の治療上必要と判断した場合などは、料金を求めてはならないことがあわせて示されています。平成19年6月議会で御指摘を受けまして、中央病院では厚生労働省の通知内容を確認することや、具体的な事例を検討することなどを内容とする院内研修を行ってきております。各病棟では、看護師長を中心として、患者さんに信頼と安全の看護を提供することを基本理念に、丁寧な説明を心がけてきたところでございます。しかしながら、議員御指摘のような幾つかの事例が生じたことを私も承知しております。この原因について改めて検証いたしますと、1つには、病院から患者さんへのきめ細やかな説明が不足している場合があること、2つには、患者さんの御家族のうちでも、同意することに対して意見が異なるような場合もあること、3つには、看護師から医師への状況の確認が十分でないケースもあること、4つには、救急病棟から一般病棟への病室変更の際の連携が十分でないケースがあることなどが原因となっております。こうしたことから、これまで実施してきた研修や教育のあり方などを見直す必要があると考えています。  次に、現在の院内規定、徴収マニュアルについてでございます。  中央病院では、差額ベッドに関する院内規定といたしまして、厚生労働省通知をもとに、使用料を減免する場合などを規定した特別病室使用料の減免に関する規定を設けています。また、徴収マニュアルにつきましては、特別に設けていませんけれども、看護業務手順書において、入院時業務や病棟を変わる転棟時業務などの標準を示し、使用しております。  3点目は、再発防止に向けての対処方針についてでございます。  既に院内検討チームを立ち上げて、具体的な作業を進めているところでございますけれども、1つには、差額ベッドの説明の仕方なども示した院内運用マニュアルを作成すること、2つには、これを活用し、院内研修をさらに充実し、職員への徹底を図ること、3つには、本年4月から教育担当の看護部長を新設したことや、看護師長及び副看護師長を大幅に増員し、病棟管理体制の強化を図ったところでございますけれども、このことを最大限に生かし、職員教育の徹底を図ること、こうしたことに取り組むことといたしております。これらのことを実行することによりまして、患者さんや家族の方に十分に御理解していただけるよう努めてまいります。  最後に、3年間の差額ベッドへの入院件数等についてであります。  まず、平成18年度の数字を申し上げますと、入院件数は3万6,363件、うち料金を徴収した件数は3万5,127件、料金を徴収しなかった件数は1,236件でございます。平成19年度は、入院件数は3万6,679件、料金を徴収した件数は3万4,416件、料金を徴収しなかった件数は2,263件です。平成20年度でございますけれども、入院件数は3万8,849件、うち料金を徴収した件数は3万6,479件、徴収しなかった件数は2,370件となっております。以上でございます。 42: ◯副議長(上代義郎) 尾村議員。  〔尾村利成議員登壇〕 43: ◯尾村利成議員 斐伊川水道の問題で2点伺います。  参画水量と料金の問題で、参画水量の問題は企業局長に、料金の問題は知事に伺います。  私は、斐伊川水道事業のかなめとなるものは、参画水量の決定です。これが正確かどうかです。この参画水量がいかがかということで、計画当初と現在ということを聞きました。松江市で見ると、参画水量が2万8,100トン、2万8,100トンのうち、私が決算特別委員会で企業局からいただいた内訳、これは2万8,100トンのうち、人口増加による水量が1万5,130トン、それから簡易水道の上水転換分として1万2,970トン、これは合わせて2万8,100トン、こういう内訳になっておりました。しかし、6月22日に松江市議会で、松江市水道局長の答弁ということを見てみますと、参画水量の2万8,100トンは変わらないんですが、松江市水道局長は、今申し上げました人口増の水量、簡水の転換分部分、この積算について、島根県で試算された数値でありますという答弁になってるんです。すなわち、受水団体みずからが積算をしているわけではなくて、県からの試算ですとなってるんです。こうなると、島根県が、参画水量2万8,100トンですけども、この内訳は先ほど言ったとおりですが、これを県が押しつけたということになると、私はこれは問題だと思うんです。ちなみに、この積算内容も、松江市は水源余裕率等々で2万8,100トンのうち約1万9,000トンぐらいはこれで使いたい、簡水の上水転換は約8,800トン使いたいというふうになってますから、内容の差異も、差異ですね、差異があるわけです。ここはどうなんですか。これは局長、答えてください。  それから、知事に料金の問題で、知事はまだいわゆる建設費等の事業費は確定になってないと、だからこれからだという御答弁だったですね。私はこの点で知事に1つ申し上げたいのは、今松江の水道代は県庁所在地で全国10番なんですよ、現在ですね。水道料金と下水道料金合わせた金額で比較すると、県庁所在地で全国7位なんですよ。23年度から下水道が上がる予定なんです。水道も尾原受水によってこれ上がってくる。試算によれば、2割、3割近く上がるという、こういう試算もあります。そうなると、上水と下水合わせて、県庁所在地で全国トップと、市民負担が、こうなるおそれがあるんです。そういう点で、受水団体である松江市も出雲市等も資本費の負担軽減を言っているわけです。私この点で、そういう受水団体の料金動向等もしっかりやはり供給する側の県として把握して、値下げに向けての努力というのは私は必要じゃないかというふうに思うものですから、この点で、知事はまだ未確定だからというお話だったんですが、資本費の負担軽減に向けて、私は県として前向きに取り組んでほしい、このことを再度訴えたいと思います。  それから最後に、あと一分ですね、指定管理者の問題で、総務部長、総務部長の答弁は、労働条件の詳細な把握をしていないという御答弁でございました。私は、NPO法人出雲スポーツ振興21が、平成18年度から就業規則を改正したと、職員は全員1年間の期限つきの契約社員にしたということを言いました。すなわち指定管理者がそういう形で、労働者の雇用を悪くしているわけですよ。私が問題だと思うのは、その労働者の雇用が不安定になりますと、経験とか技能の蓄積という点は困難になります。ひいて言えば、県民サービス、住民サービスが低下をするということにつながるし、もっと言えば、利用者の命にかかわる事故が発生しやすくなる要因ともなるというふうに思うわけです。そういう点で、私は住民サービスを守るという観点で、雇用責任は指定管理者にあるということではなくて、公の施設の設置者である県の責任も私は求められるということを強調して、再質問といたします。 44: ◯副議長(上代義郎) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 45: ◯知事溝口善兵衛) 受水団体との協議はこれから始まっていくわけですけれども、やはり基礎となりますのは、工事に一体コストとして幾らかかったかと、それにその部分、大体工事費は起債で賄いますから、利息の部分を加えて、受水団体に対する水道の値段が決まるのが原則でございますね。まだそういう意味で、実際の工事費全体がどうなるかということについては固まってないと。しかし、一部は水道の管、給水路の関係は現段階で推計で25億円ぐらいは減るかもしれないと、減るだろうという見方をしてますが、ダム全体がまだわかりません。そういうこともございますから、そういうものを見きわめながら考えていく必要があるということを申し上げておるわけであります。  それから、受水団体からは、できるだけそれは低くしたいと、これはお気持ちもわかるわけでありますが、原則もありますから、そういうところをどういうふうに調整していくかと、今後の課題だろうというふうに考えているところでございます。 46: ◯副議長(上代義郎) 加松総務部長。  〔加松総務部長登壇〕 47: ◯総務部長加松正利) 指定管理についてお尋ねがございました。  指定管理のねらいは、公の施設の適正かつ効率的な運営がなされているかどうかということでございます。その観点からは、御指摘の安全管理あるいは利用者へのサービス提供等々含めまして、県としては適宜事業報告を求めるなり、現地調査を行うなり把握しておりますし、その点はこれからもしっかりやっていきたいと思っております。  他方で、先ほどお話がありました労働者の雇用条件でございますけども、これは労使の協議で基本的には定められるものでございまして、なかなかどの雇用条件がいいか悪いかというのは、県のほうとしてはなかなか断ずることが難しいということがございます。労使の協議がつかない場合は、労使紛争解決制度があるわけでございますので、そういったものにゆだねていきたいということでございまして、この労働条件に関しては、県としては、この指定管理を行う立場の、指定する立場の県としては、個別具体的に容喙をする考えはないというものでございます。 48: ◯副議長(上代義郎) 山根企業局長。  〔山根企業局長登壇〕 49: ◯企業局長(山根勝彦) 再質問にお答えをいたします。  松江市の参画水量についてのお尋ねだったかと思います。  松江市の参画水量につきましては、先ほどお答えしたように、平成14年度の尾原ダム建設計画の変更に伴いまして、受水されます松江市のほうからも改めて需要予測の資料提出を受けたところでございます。県と松江市の間でその間協議、検討を行って決めたものであるというふうに思っております。その内訳でございますけども、先ほど御紹介がありましたように、2万8,100トンのうち人口増によるものが1万5,130トン、簡易水道の上水転換分1万2,970トンという内訳でございます。先ほどお話しのように、その後合併あるいは人口の増減等、受水団体の中にもいろいろ変化がありまして、松江市さんのほうにもこの参画水量について見直しが行われるというふうに聞いております。その具体的な内容については把握しておりませんけども、水需要の減少傾向にある中でどうするかというふうには、これぐらいのとこしか伺っておりませんけども、具体的な内容については把握しておりませんけども、松江市さんのほうでそのように参画水量、どう今後配分していかれるかという御検討がなされているというふうな今状況じゃないかと、このように認識をしております。以上でございます。 50: ◯副議長(上代義郎) 珍部議員。  〔珍部芳裕議員登壇、拍手〕 51: ◯珍部芳裕議員 民主県民クラブの珍部芳裕でございます。ただいまより一般質問を行いますので、答弁のほうよろしくお願いいたします。  質問の第1は、島根県における障害者スポーツの現状と今後の支援策などについてお伺いいたします。  毎年秋に全国国民体育大会、通称国体が開催されており、ことしは新潟県でトキめき新潟国体という愛称で開催される予定になっております。今回の一般質問では、この国体の閉会後に開催されております障害者スポーツの全国大会、全国障害者スポーツ大会での島根県選手団の活躍や今後の支援などについてお伺いさせていただきたいと思います。  ことしの全国障害者スポーツ大会は、新潟国体閉会後の10月10日から開催される予定で、ことしの大会で9回目の大会開催となります。島根県からも毎年この全国障害者スポーツ大会へ選手を派遣しており、ことしも選手たちの活躍が期待されております。この全国障害者スポーツ大会での島根県選手団の成績を見てみますと、非常に優秀な成績を残しておりまして、大分県で行われた昨年の大会では、女子バスケットが決勝戦まで進み、8連覇を果たした東京都に敗れはしましたが、準優勝という成績を残しております。また、この決勝戦のスコアを見てみると、69対60ということで、わずか9点差で惜しくも敗れておりますので、全国優勝も十分ねらえる実力を備えております。また、サッカーの成績を見てみると、初戦の対戦相手が優勝した大阪府だったため、残念ながら1回戦敗退となりましたが、スコアは1対1の同点で、PK戦の末、惜しくも敗れており、女子バスケットと同じように全国優勝したチームを相手にほぼ互角の戦いを展開しています。ちなみに、おととし、平成19年の大会では、女子バスケット、サッカーともに準優勝という成績を残しておりますし、その前の平成18年大会では、女子バスケットが準優勝、その前の平成17年大会ではサッカーが準優勝となっておりますので、この2つの種目は全国大会の上位に顔を出す常連チームとなっています。  私はこの島根県選手団の活躍は、選手たちの不断の努力や指導者の情熱ある指導、家族の支えがあっての結果だと思いますが、それだけではなく、溝口知事がよくおっしゃいます豊かな自然や古きよき伝統文化などの地域資源といった大都市部で破壊され失われたものがいまだに多く残っているという島根県の環境が、障害者スポーツを行う環境に適しているということも背景にあるのではないかと思います。これからも島根県の障害者スポーツがさらに盛んに行われるためには、県のさらなる支援が求められると思いますが、島根県の選手団の全国障害者スポーツ大会での活躍についての知事の御感想と競技力の維持向上に向けた思いを聞かせていただきたいと思います。  島根県選手団のこの全国障害者スポーツ大会での活躍は、大変すばらしいことでありますが、島根県ではこの全国障害者スポーツ大会の団体競技に2つの種目しか出場することができないという決まりがあり、仮に3つ以上の団体種目が全国大会への出場権を得た場合、いずれかの種目は全国大会に出場することができない、こういった問題を今抱えております。全国障害者スポーツ大会は、ことしの新潟大会で9回目の開催となりますが、今までの各大会への島根県からの派遣種目の数を見てみますと、派遣種目数に上限が設けられていなかった平成13年の第1回大会から平成15年の第3回大会までは、毎年4つから6つの種目が出場をしていました。しかし、県の方針で平成16年の第4回大会からはわずか1種目しか全国大会への出場ができなくなり、おととし平成19年の第7回大会からは1種目ほどふえはしましたが、いまだに2種目しか出場できないのが現状であります。ちなみに、団体競技の派遣種目数に上限が設けられた平成16年の大会からことしまでの間、全国大会への出場権を得ながら出場を辞退したというケースは発生していないようですが、来年以降、3つ以上の種目が全国大会への出場権を得る可能性はありますし、過去には平成17年の全国大会で準優勝している島根県のサッカーチームが、翌年平成18年には全国大会の予選となる中四国大会への出場を見合わせられたこともあったと伺っています。本来、一つでも多くの種目が予選を突破し、全国大会に出場するということは手放しで喜ぶべきことだと思いますが、島根県の場合は、全国大会に出場できる種目がふえると、出場をあきらめなくてはいけない選手がふえてしまうことになり、選手や御家族、指導者を含む関係者の皆さんの気持ちを考えてみても、全国障害者スポーツ大会への団体派遣種目数の上限の撤廃、あるいは上限を超える数の種目が全国大会の出場権を得た場合は補正での対応をとり、出場を辞退しなくても済むような柔軟な対応が必要だと私は考えます。  そこで、来年度以降の全国障害者スポーツ大会への団体派遣チーム数の拡充について、健康福祉部長の御所見をお伺いいたします。  質問の第2は、神戸川工業用水道事業についてお伺いいたします。  この神戸川工業用水道事業は、神戸川で建設中の志津見ダムを水源として、工業用水道を出雲地域に引くために行われている事業です。この事業は島根県と出雲市との間で30年以上前から協議がされ、県は志津見ダムを水源として工業用水を引きたいとの出雲市の要望を受けて、昭和62年に工業用水道3万トンで志津見ダムに参画することを決めました。この事業決定から約20年の歳月が過ぎました。この間、ダムを取り巻く環境は大きく変わり、当初平成9年度に完成予定だった志津見ダムは、工期が約2倍に延びて、平成22年度の完成へと変更になり、ダムの総工費も当初の660億円から1,450億円へと2倍以上に増加いたしました。また、工業用水を利用する企業の状況も変化し、当初は長浜工業団地や神西工業団地などに1日3万トンの計画水量で始まった計画でしたが、主な給水予定先を出雲市駅周辺、出雲市西部地区、さらには山陰道の出雲インターチェンジ付近に出雲市が建設を予定している新ビジネスパークへと受水先の計画を変えつつ、計画水量も1日当たり3万トンから1万トンへと変更されながら今に至っております。  現段階でこの神戸川工業用水道事業は、専用施設工事に着手しておりませんので、ダム建設費関係費用として55億円を支出して、志津見ダムに用水利用の権利を確保したという段階にとどまっています。また、1万トンの工業用水の給水先のうち、現在の計画の中で最も多い6,500トンを受水する予定の出雲市の新ビジネスパークは、今のところ誘致企業がなく、未整備のままとなっています。つまり平成22年度の志津見ダム完成を目前にしながら、受水する企業が現段階では存在しないため、専用施設の建設に着手できていない上に、仮にこのまま放置しても、毎年維持管理費を負担しなくてはならない、これがこの神戸川工業用水道事業の現状であります。  また、仮に事業の休止もしくは廃止を決定した場合にも、国庫補助金の返還を含めて、やはり大きな県費負担が必要になりますので、言葉は悪いですが、八方ふさがりの状況にある事業と言えるのではないでしょうか。  そこで、この神戸川工業用水道事業がなぜこのような状況になってしまったのか、現状を踏まえ、企業局の認識をお聞かせいただきたいと思います。  また、志津見ダムの完成が目前に迫っていますが、専用施設の建設について、どのようなタイミングで、またどのような規模で建設する予定なのか、今後の事業のスケジュールをお伺いいたします。  この神戸川工業用水道事業ですが、先ほど述べましたように、これまで約55億円の県費をダム負担金として投入し、整備を進めているにもかかわらず、受水先が定まらないため、ダム完成を目前に控えながら、専用施設の建設もままならない状況に置かれています。専用施設に関しては、工業用水の受水先について、ある程度の見込みがなければ前に進めない状況ではないかと思いますが、専用施設を建設しないままの状態にしておいても、ダムの維持管理費等、県費負担が発生する現状に置かれています。この神戸川工業用水道事業にとって最もよい理想的な形は、当初の予定どおり出雲地域で工業用水を使用する企業を誘致し、安定した売水収入を得ることだと思いますので、県としては、出雲市と協力しながら、出雲地域での企業誘致を積極的に行うべきではないでしょうか。私も出雲地域に住む1人の住民ですが、専用施設を建設すれば工業用水道を引くことができるというのは、地域にとって一つの財産ではないかと思います。この資源を財産としてしっかり活用できるのか、逆に活用できずに負の遺産として次の世代に残してしまうのか、ダム完成を目前に控えた今、真剣に考えていただきたいと思います。  そこで、この神戸川工業用水道を活用できる今後の出雲地域においての企業誘致に対する県の取り組みについてお伺いいたします。  次に、県内の雇用について伺います。  厚生労働省が発表したことし4月の一般職業紹介状況を見ますと、有効求人倍率は0.46倍となり、3月を0.06ポイント下回りました。中でも、正社員有効求人倍率は0.27倍となり、昨年の4月と比べると約半分の水準にまで落ち込んでいます。また、島根県内の4月の有効求人倍率は0.59倍で、3月から0.02ポイント上昇し、10カ月ぶりの改善となりましたが、依然として大変厳しい状況にあることに変わりはありません。このままの状況が続くことになれば、来年の春に大学や高校を卒業する新卒の学生たちには大変厳しい就職活動が強いられることにつながってしまいます。昨年の6月議会で少し触れさせていただきましたが、私自身、就職氷河期の真っただ中に大学を卒業して社会に出た一人です。当時の就職活動を振り返ると、自分が希望する職種を選ぶゆとりや、よりよい待遇が得られる会社を選ぶといった余裕はほとんどなく、仕事を選ぶというよりは、内定をもらえそうな企業を探す活動をせざるを得ない学生が多かったように感じています。そのため、私たちの世代の特徴として、就職した後も本来の力を十分に発揮できない労働環境に置かれていたり、正規社員としてではなく、非正規社員として採用され、現在でも不安定な雇用環境にあるというケースが非常に多く、ニートやフリーター、ネットカフェ難民といった不安定な層に属する人も多くいるというのが現状であります。私たちが経験したことをこれから社会に出る若者たちにまた経験させなくてはいけない危機が目前に迫っているわけでありまして、この危機を少しでも回避するための行政としての支援が今求められているのではないでしょうか。  そこで、県内に仕事先を求める来春卒業予定の大学生などに対しての就職支援について、県の具体的な取り組みをお伺いいたします。  また、高校卒業後、県内就職を希望する学生への支援策についてですが、今の有効求人倍率のままの推移では、来年の春に高校を卒業しても就職先が見つからない、あるいは県内での就職を希望しても、職が見つからず、県外で就職するというケースも十分予想されます。県立高校の就職担当の教員の皆さんには、県内就職を希望する一人でも多くの卒業生が希望どおり県内での就職ができるよう、採用者数をふやすために一つでも多くの企業などに赴くなど、従来以上の就職支援が必要なのではないでしょうか。  そこで、県内での就職を希望する高校生への就職の支援策について、御所見をお伺いいたします。  最後に、解散総選挙が日に日に迫ってきておりますが、各種選挙での投票率を上げるための取り組みについてお伺いいたします。  島根県では、他県に比べ各種選挙での投票率は比較的高い水準となっておりますが、それでも年々選挙の投票率は下降ぎみになっているのが現状であります。他県では選挙での投票率の低下が深刻化しており、さまざまなアイデアを出しながら投票率の改善に向けた取り組みが行われています。また、最近の投票行動を見ると、期日前投票で投票を行う比率がふえてきている傾向にあるようです。他県の状況を見ると、この期日前投票の投票所を市役所や公民館といった公の施設に限らず、駅やショッピングセンターなどのように人が集まりやすい公共施設や商業施設などに開設している自治体もあり、秋田市では秋田駅東西連絡自由通路内に期日前投票所を開設しているようですし、茨城県の牛久市では、牛久駅前の広場にプレハブを建てて、そこを期日前投票所にしているなどの事例があります。駅やショッピングセンターなど、人が行き来しやすいところに期日前の投票所を設けることは、投票率の向上につながると考えられますし、住民の皆さんに選挙や政治を身近に感じてもらうことにもつながるのではないでしょうか。  そこで、島根県が現在行っている投票率向上に向けた具体的な取り組みについてお伺いいたします。  また、駅やショッピングセンターなどへの期日前投票所の設置は投票率向上に効果的であると考えますが、県内での実施について、選挙管理委員長の御所見をお伺いし、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 52: ◯副議長(上代義郎) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 53: ◯知事溝口善兵衛) 珍部議員の御質問にお答え申し上げます。  島根県の選手団が全国障害者スポーツ大会などで活躍をされているわけですけども、それについての感想等についての御質問でございます。  御指摘ありましたように、島根県の方が全国の障害者スポーツ大会等において優秀な成績をおさめられているということは私も承知をしております。特に、女子バスケットボール、準優勝3回、サッカーは準優勝2回など、全国的にもトップレベルにあると聞いているわけであります。今週火曜でありますけども、ことしの7月、チェコで開催されます知的障害者の世界スポーツ大会に出場する選手山田弥佳さんという方とお会いしたわけでありますが、日本の女子バスケットボールチームの一員となって出席をされると、松江の養護学校の生徒さんであります。非常に明るく、今度の出場を喜んでおられたわけであります。初めてヨーロッパにも行かれ、各国の人にも交流ができるわけであります。このように島根県の障害をお持ちの方々が全国あるいは世界の大会で活躍をされるということは、県内のほかの障害者の方々にとっても大きな励みになるわけでありますし、またそういうことからスポーツにも関心を高められる効果もあるわけでございます。障害者の方々にとってスポーツは身体機能回復のためのリハビリテーションという意味合いもあるようでございますし、それからスポーツを通じまして喜びを感ずるとか、いろんな刺激も受けるわけでありますし、さらに広く地域の方々あるいはコーチの方、あるいは大会に出ますと、ほかの方々とも接触し、交流をする、世界が広がるわけであります。そういう意味におきまして、障害者スポーツの競技力がさらに向上するということは大事なことだと思います。これまでも島根県障害者スポーツ協会を中心に、選手の強化あるいは指導者養成等を行ってきておりますけども、今後とも競技力向上に向け取り組みに力を入れていきたいと考えておるところであります。 54: ◯副議長(上代義郎) 錦織健康福祉部長。  〔錦織健康福祉部長登壇〕 55: ◯健康福祉部長錦織厚雄) 私からは、全国障害者スポーツ大会の派遣についてお答えをいたします。  まず、個人競技につきましては、大会本部が配分する選手派遣人数枠に基づきまして、県の選考委員会において本人希望と県大会での成績、過去の参加状況等を勘案して派遣選手を選出しております。団体競技につきましてでございますけども、厳しい財政状況を踏まえまして、平成16年度から派遣するチーム数を2チームに限定しているところでございます。公平な派遣とできるだけなるように、団体競技関係者により毎年順番を入れかえる派遣優先順位表を定めまして、中国四国予選で優勝したチームの中から、この優先順位表に基づいて2チームを選び、派遣をすることとなったわけです。今のところ、中四国予選で優勝したチームが全国大会に参加できなかった事例はございませんけども、派遣優先順位が低い年度に当たったチームについては、選手や指導者の競技力強化に向けた意欲の低下が否めないのも事実でございます。そうしたことから、中四国予選で優勝をされて、全国大会の出場権を得たチームが2つのチームを超える場合には、弾力的な派遣対応を考えていきたいと思っております。以上でございます。 56: ◯副議長(上代義郎) 小林商工労働部長。  〔小林商工労働部長登壇〕 57: ◯商工労働部長(小林淳一) 私からは、2点についてお答えいたします。  まず、神戸川工業用水道を活用できる企業の誘致についてお答えします。  企業誘致体制につきましては、昨年度担当職員を5名増員するとともに、民間企業OBで営業経験のある企業誘致専門員を6名増員いたしまして誘致活動体制を大幅に強化したところでございます。さらに、今年度からは出雲市が県の大阪事務所に企業誘致などを行う職員を派遣されまして、県と連携しながら活動を行っているところでございます。これらの職員によりまして、出雲地域への企業誘致につきましては、県内外の企業に対しまして、立地環境のよさですとか、県、市の支援制度などをアピールするとともに、誘致につながる情報の収集を積極的に行っているところでございます。神戸川工業用水道を活用するいわゆる用水型の企業の誘致につきましては、厳しい経済状況もあって、現在のところ具体的に交渉中の企業はありませんが、引き続き企業局や出雲市と連携をとりながら誘致活動を行ってまいります。  次に、大学生等への就職の支援についてでございます。  県が行いました県内企業に対する採用計画調査によりますと、来春の大学卒業者の採用予定数は、前年同期に比べまして約3割減少しており、大変厳しい状況が予想されるところでございます。県では、若者の就職を支援いたしますジョブカフェしまねにおいて、就職に関する相談やセミナーを行うとともに、大学4年生等を対象にした就職面接会、就職フェアしまねや大学3年生等を対象にした企業説明会、しまね企業ガイダンスを開催し、学生と県内企業とのマッチング支援に取り組んでおります。さらに、こうした厳しい状況を踏まえまして、島根労働局や県の教育委員会と連携いたしまして、県内の企業約1,000社を対象に、大卒を含めました新規卒業者の採用について要請を行っているところでございます。  一方、こうした厳しい状況にあっても、理工系人材を求める県内企業もありますことから、今年度新たに県外の大学等に在学する理工系学生を対象とした県内企業見学会を開催するなど、県内への就職支援に取り組んでいきたいと考えております。  また、大学そのものとの連携をもっと深めていくということも重要であると考えております。これまでジョブカフェしまねを通じた情報提供などで連携してまいりましたが、新たに大学の理工系教員の方と県内企業との情報交換会を開催するということにしております。以上でございます。 58: ◯副議長(上代義郎) 山根企業局長。  〔山根企業局長登壇〕 59: ◯企業局長(山根勝彦) 私からは、神戸川工業用水道事業の現状と専用施設の建設についてお答えをいたします。  議員御指摘のように、神戸川工業用水道事業に着手して以来、志津見ダムの共同事業者としてダム建設に係る経費は負担しておりますが、工業用水道専用施設の建設には着手できない状況にあります。専用施設の建設に着手できない理由としましては、出雲地区における工業用水の需要予測が立たないことであります。水需要につきましては、これまでも企業の使用水量のアンケート調査を実施するなど、需要の把握に努めてまいりましたが、社会経済情勢の変化により、誘致企業の進出や既存企業でのまとまった需要がないことなどから、現時点では予測が立っておりません。企業局といたしましては、専用施設の建設に着手するためには、水需要の把握が不可欠であると考えています。このため現在、出雲市や県の関係部局と連携し、工業用水の需要の把握に努めているところであります。今後、この結果を踏まえまして、専用施設の建設について、関係部局と協議してまいりたいと考えております。以上でございます。 60: ◯副議長(上代義郎) 藤原教育長。  〔藤原教育長登壇〕 61: ◯教育長藤原義光) 高校生への県内就職の支援策についてお答えいたします。  高校の現場においては、進路指導部の就職担当の教員を中心に、生徒への就職指導や求人の新規発掘や確保を目的といたしまして企業訪問などを行っております。こうした取り組みは、教育委員会だけでなくて、地域のハローワーク、商工会議所あるいは商工会、自治体等との連携をすることによりまして、より実効性の高いものとなると考えております。そうした時間をとれば、実効性が高まりますし、また担当の教員の負担もふえていくということにつながっていくと思っております。そのために、これらの教員の授業の負担を軽減するということを従来からやっておりまして、企業訪問等の活動を積極的に行えるように、担当の教員のかわりに授業を受け持つ講師を専門高校に配置しております。本年度は就職の関係が厳しくなるということが予測されましたので、この代替講師の年間の総時間を昨年度の2,500時間から約2倍の4,500時間に現在大幅にふやしまして、就職支援の強化に努めておるとこであります。また、生徒自身にも早期に目的を持った進路選択の意識を持ってもらうということが必要と考えまして、本年3月に進路選択のガイダンスを行いました。浜田と出雲と県内の2カ所で実施いたしました。私立高校も交えまして約1,300人の高校2年生が参加いたしました。生徒自身にも就職環境が厳しいという認識ができて、就職に対する心構えが早期にできたのではないかというふうに考えております。6月17日には知事、労働局長と、県内の経済4団体の代表の方に高校生の求人の要請を行いました。これに引き続きまして、各地域において、学校、ハローワーク、商工労働部などが協力いたしまして、地元の商工団体や企業への要請活動を行ってまいる予定にしております。以上でございます。 62: ◯副議長(上代義郎) 津田選挙管理委員長。  〔津田選挙管理委員会委員長登壇〕 63: ◯選挙管理委員会委員長(津田和美) まず、投票率向上に向けた取り組みに係る御質問にお答えいたします。  議員御指摘のように、本県の投票率は、衆議院総選挙におきまして、これまで13回連続で全国1位になるなど、常に全国トップクラスを維持しておりますが、本県におきましても、平成17年の衆議院選挙、平成19年の参議院選挙では回復傾向を示したものの、全般的にはやはり低下傾向を示しております。そのような中で、現在行っております具体的な取り組みでありますが、選挙時におきましては、マスメディアによるスポット広告、広報車による巡回放送、明るい選挙啓発キャラクターのホープくんを活用した大型バルーン等の広告、またボランティアの方々で構成されている明るい選挙推進協議会による明るい選挙推進大会の開催や街頭啓発など、さまざまな形で有権者の方々に投票参加を呼びかけているところであります。さらに、平常時から政治意識の向上、選挙への関心を高めるため、明るい選挙推進協議会の会員などを中心として、各種研修会の開催や地域の選挙啓発リーダーの養成事業を実施したり、小中高校の児童生徒を対象とした選挙啓発ポスターコンクールなどを実施しているところであります。特に、このコンクールでは、本県から全国審査に出品した作品が平成18年から3年連続で全国上位入賞を果たすなど、選挙への関心を高めることができているものと考えております。今後とも、投票率の向上に向けまして、各種の手段、方法を用いて、啓発活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、期日前投票所の設置に係る御質問にお答えいたします。  期日前投票所の設置につきましては、市町村選挙管理委員会が有権者の便宜を考慮して、最も適切な場所を指定して設けることとされておりますが、県内で期日前投票所を駅やショッピングセンター等に設置している例は現在のところありません。期日前投票所は、投票の秘密や選挙の公正を確保するために必要な場所及び設備を有し、投票所の秩序を適切に保持することができることが必要でありますが、頻繁に人の往来があるところでは、これらの条件を満たす場所の確保がなかなか難しいといった事情があるものと考えております。もとより有権者が投票しやすい環境をつくることは重要でありまして、国におきましても、期日前投票所の適切な設置につきまして、近々都道府県選挙管理委員会に対して具体的な設置例や留意点を反映した通知を発出する予定であると聞いております。県の選挙管理委員会といたしましても、この国の通知の趣旨に沿って、市町村選挙管理委員会に対して適切に助言を行っていきたいと考えております。以上でございます。 64: ◯副議長(上代義郎) 珍部議員。  〔珍部芳裕議員登壇〕 65: ◯珍部芳裕議員 1点だけ、健康福祉部長さんに障害者スポーツの件でちょっと確認をさせていただきたいと思います。  先ほどの御答弁の中で、来年以降の派遣種目数の拡充について弾力的な対応をとっていきたいという御答弁をいただいたんですけれども、ちょっとこの弾力的という言葉のちょっと具体的にどういうことをしていただけるのかなということをちょっと確認をさせていただきたいと思います。  ちょっと他県の情勢というか、状況ですけれども、中国地方のほかの県では、例えば岡山県はこの全国障害者スポーツ大会の団体派遣種目数が4チームとなっているんですが、これがふえた場合は、5種目以上出た場合は補正で対応しますという形をとっておりますし、山口県にしても2種目というのが原則だけれども、3種目以上出た場合は補正で対応しますという取り決めがあるんです。でも、先ほど弾力的というお答えだったわけですが、島根県もこの岡山や山口のような補正の対応をとっていただけるということでよろしいのかどうかということをちょっと確認をさせていただきたいと思います。 66: ◯副議長(上代義郎) 錦織健康福祉部長。  〔錦織健康福祉部長登壇〕 67: ◯健康福祉部長錦織厚雄) 今正式に決まっているというわけではございませんけども、補正で対応していくということが一番今の状況でいいのかなというふうに私どもとしては考えております。 68: ◯副議長(上代義郎) この際、しばらく休憩し、午後3時40分から再開いたします。
           午後3時14分休憩        午後3時42分再開 69: ◯議長田原正居) それでは、会議を再開いたします。  引き続いて、一般質問を行います。  福間議員。  〔福間賢造議員登壇、拍手〕 70: ◯福間賢造議員 自民党議員連盟の福間賢造でございます。ただいまから一般質問を行いますので、知事並びに商工労働部の部長の誠意ある前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。  まず、中小企業への融資制度について伺いをいたします。  昨年後半から始まったアメリカ発の世界的な経済不況は、企業における設備投資の大幅な減少や雇用の喪失など、我が国経済に深刻な影響を及ぼしております。この世界的な経済不況を招いた要因は、アメリカ経済が製造業から金融資本主義に大きくかじをとったことにより、必ずしも物の実質的な生産にかかわりのないマネーがあふれ、世界に流れ出したことにあり、この間アメリカは市場原理主義、株主至上主義を唱え、世界最大の消費国としての存在を謳歌したのであります。このような中、アメリカでは、2003年後半から2005年にかけての好景気と銀行間競争の激化により、与信基準が大きく低下をいたし、住宅購入ブームが起きたことから住宅価格が高騰し、低所得者を主な対象としたサブプライムローンが急速に普及をいたしました。その後、住宅ブームが去り、住宅価格が値下がりに転じ、ローン返済が計画どおりにいかなくなる事例が多発したことにより、最終的には破綻という形で表面化したのであります。  このような背景を通して、昨年秋、アメリカの大手証券会社リーマン・ブラザーズが破綻をし、これを契機として世界的な金融危機に端を発する世界不況の波は瞬く間に我が国に押し寄せ、本県においても企業活動に大きな影響を及ぼすこととなりました。多くの企業の中で、特に製造業においては、自動車、電気関連を中心に生産額が大幅に減少し、雇用情勢も大きく悪化する時代となったのであります。ここに来て、全国的には各種の経済指標が上向き傾向を示し、日経平均株価が終値で一時的に1万円の大台を回復するなど、一部に明るい兆しが見えるようになってきた感があります。与謝野財務・金融・経済財政担当相も、先日の記者会見において、明らかに1月から3月が底だった輸出、生産などが上を向き始めたので、底を打ったと強く推定できると述べられたところであります。  しかしながら、本県の状況に目を向けてみますと、設備投資の減少、住宅投資や消費動向の低迷が続いており、雇用情勢も悪化のテンポは幾分緩やかになってきているというものの、依然として厳しい状態にあります。先日は、知事が先頭に立って、県商工会議所連合会など経済4団体の代表に対し、積極的に雇用を求める要請をされたところであります。こうしたことから、私は、本県の経済は先行き不透明感と同時に、不安感がぬぐえない状態が続いていると感じているところであります。  昨年来の危機的な経済状況に対応するため、麻生内閣は平成20年度の2度の補正予算、平成21年度の当初予算を合わせ、3弾ロケットと呼ばれる総額75兆円規模の対策を講じ、さらに21年度補正予算を編成するなど、矢継ぎ早に経済対策を実施されております。特に、金融面においては、中小企業者の資金繰りに対する不安や急速に悪化をした実体経済に対応するために、昨年の10月30日、政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議において生活対策が決定をされ、従来のセーフティーネット保証制度を拡充した緊急保証制度を10月31日から実施されたのであります。  一方、県においては、当時の世界的な金融危機、株価下落、円高という厳しい経済状況を踏まえ、この政府の緊急保証制度を活用して、県内中小企業向けに新たに県制度融資として資金繰り円滑化支援緊急資金を即座に創設をされ、11月19日には取り扱いを開始されました。この制度は、1.7%という低い金利で、保証料率も最大0.8%と低く設定され、返済期限も10年と長く、責任共有外保証として信用保証協会が100%保証する制度であり、企業にとって非常に頼みやすく、非常にわかりやすく、また非常に使いやすい融資制度でありました。既存の借り入れをまとめて長期返済とすることで、月々の返済額を抑えることもでき、毎月の資金繰りの心配は余りなく、事業に専念できる環境がつくられ、まさに資金繰りの安定化を図るために最適な融資制度であったと思っております。この制度が導入された結果、創設間もない12月には171億円の融資がなされ、以降、1月、2月、3月までのところで毎月100億円前後の融資実績で推移し、4月以降落ちついてきているものの、5月末時点で3,400社余りに対し、累計600億円に及ぶ多額の融資がなされたと聞いております。まさに厳しい資金繰りを背景とした県内の中小・零細企業の旺盛な資金需要に対し、十二分にこたえた融資制度であったと評価しております。  融資先の業種を見ますと、5月末累計で金額をベースとして、建築、土木、設備工事等の建設業が31%、小売業が21%、食品、繊維、木製品、家具、窯業、機械、金属、電子などの工業、印刷業などの製造業が19%、生活関連、資材関連などの卸売業が12%など、融資先は多岐の業種にわたっております。また、融資件数の状況は、5月末累計で県全体で3,424件となっており、市町村別に見ますと、松江市が871件で全体の25%、出雲市が654件で19%、益田市が302件で9%、浜田市が268件で8%、雲南市が224件で7%などとなっており、ほかの市町村においても、それぞれの事業者数に応じた融資実績件数が見られるなど、県内全域において広く利用されているようであります。  私も、ある建設関係の事業主から、今度できた融資制度は本当に自分たちにとって使い勝手のよいタイムリーな制度であり、この制度がなかったら倒産に追い込まれ、従業員を路頭に迷わすことになったかもしれない、本当にありがたかったとの話を聞き、みずからも救われたような気持ちになりました。そのほかにも、企業からこの資金に救われたとの声を幾つか聞いており、改めて融資制度の効果を実感しているところであります。このように島根県の資金繰り円滑化支援緊急資金は、全国の中でもトップクラスの素早い、また余り例を見ない措置であり、溝口知事の英断、先見性、リーダーシップにより本県の多くの企業が救われたものと高く評価するところであります。  そこで、県として、資金繰り円滑化支援緊急資金の効果について、どのように評価しておられるのか、所見をお伺いをいたします。  さて、今回の金融施策で思い出すのは、10年ほど前の小渕内閣当時に創設をされたセーフティーネット保証制度、中小企業金融安定化特別保証制度であります。東南アジアで発生した通貨危機が我が国経済にも大きな影響を及ぼしていた当時、平成9年秋には、準大手証券であった三洋証券、都市銀行であった北海道拓殖銀行、4大証券の一つでもあった山一証券、平成10年には日本長期信用銀行、日本債券信用銀行と、大手金融機関の経営破綻が次々と生じておりました。こうしたことなどを背景に、貸し渋りが社会問題となったことなどから、この特別な保証制度が平成10年10月から平成13年3月までの2年半にわたり実施されたものであります。このことにより、当時全国的に30兆円の保証が行われ、1万社の倒産防止、10万人の雇用維持に効果があったと言われていたことを記憶をしております。その後、政府においては、ITバブル崩壊などの不況に対応し、その都度量的緩和政策、円高対応のためのドル買い介入などなどの措置がとられてきました。また、島根県においても、長期経営安定緊急資金の創設など必要な制度融資対応などがとられてきたところであります。  しかしながら、今回の危機は100年に一度という未曾有の経済危機であると言われ、麻生首相も景気の回復には3年は要するという認識を示しておられます。ここに来て、景気動向の悪化に歯どめがかかりつつあるとの見解もありますが、景気低迷が長期に及ぶことは避けられず、まして中小・零細企業が償還財源を生み出すための収益改善に至るには相当な期間を要すると考えられます。たとえ全国的には景気が回復したとしても、平成19年10月までの戦後最大の景気拡大の恩恵が中小企業やこの地方に浸透しなかったことに見られるように、その効果が地方に届くには相当の時間を要するものと思います。したがって、特にこの島根という地方においては、今回の経済危機の影響は甚大であり、かつ長期に及ぶと私は認識をしております。金融制度は毎日生きている経済情勢や企業活動の変化を注視し、大局的な視点に立って対策をとるとともに、その時々の状況に応じた見直しなどを柔軟に行うことが極めて大事であり、そのための勇気が必要と考えております。特に、今回の資金繰り円滑化支援緊急資金は、国の緊急保証制度を活用していることから、責任共有制度の対象外、つまり信用保証協会の100%保証であります。責任共有制度とは、金融機関と信用保証協会がそれぞれ適正な負担を行うという趣旨で、平成19年10月から始まった制度であります。融資を受けた企業が償還不能になった場合、信用保証協会が金融機関に対し融資額の80%だけを保証する制度であり、残りの20%は金融機関が負担することとなるために、金融機関としては融資に慎重にならざるを得ないことになります。しかしながら、信用保証協会の100%保証であるこの緊急保証制度は平成22年3月末で失効し、県の資金繰り円滑化支援緊急資金も同様に本年度いっぱいが取扱期限となっております。これらの制度が失効をすれば、信用保証協会が80%のみを保証し、残りの20%を金融機関が負担することが基本となる従来の責任共有制度が適用されることとなり、金融機関の貸し渋りが再び始まることも想定されると思います。したがって、私は景気の底打ちが実感できない中で、当面3年ぐらいは企業業績の回復に手厚い保護をしていかなければならないと考えております。  そこで、お伺いをいたします。  まず、現在の経済状況、そして今後の経済動向についてどのような認識を持っておられるのかをお聞かせください。  また、本年度いっぱいが取扱期限となっている資金繰り円滑化支援緊急資金について、しばらく延長、継続すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  そして、このような厳しい経済環境の中であればこそ、緊急避難的な制度に加えて、前向きに取り組もうとしている中小企業を後押しするために融資制度の見直しも必要と考えておりますが、知事の御所見もあわせてお聞かせください。  次に、商工会の機能強化についてであります。  先ほどの制度融資の問題を含め、現場での中小・零細企業に向き合った経営指導は、商工会の経営指導員が中心となってその業務を担っており、商工会が地域の中小・零細企業に対して果たす役割は極めて大きいものがあります。商工会は昭和35年の商工会法施行により、小規模事業者の経営体質強化を図るために、当時自主的に設立されていた地域商工会の組織が法人化されたものであります。以降、小規模事業者の経営・技術改善発達を図るための経営改善普及事業を実施する経営支援団体としての側面と、地域内商工業の総合的な改善発達を図るための商工業者みずからの組織体である経済団体としての側面、2つの面を持ちながら個別企業者への支援などを行ってきております。さらに、昭和56年の法改正により、社会一般の福祉の増進に資する観点から、地域振興に積極的に取り組む役割も追加されたところであります。近年は厳しい経済状況や経営状況を反映し、企業支援面において経営内容が厳しい事業者からの相談案件の増加に伴い、金融機関との調整などに時間を要することも多いと聞いております。このような企業ニーズに直結する経営支援業務に加えて、特に中山間地域においては、人口減少による小売店の撤退や廃業による地域の商業機能の低下や後継者不足など、地域振興、コミュニティー維持と連動した今日的課題に対応するための業務に対して積極的な取り組みが必要だと感じております。  現下の厳しい経済環境に加えて、数多くの商工会が、広域合併後間もないこともあり、経営指導員も多忙感があることもよく承知をしております。しかしながら、雑務にとらわれず、中山間地域の商業機能維持対策や商業の後継者対策なども含めて、企業支援業務や地域コミュニティー維持業務に力を注ぐべきだと、経営指導員もっと頑張れという声や、商工会が力いっぱい旗を振らなければその地域が沈下しますよという声も、商工会への期待を込めて聞こえてきております。もとより商工会の活動目的は、小規模事業者を中心とした会員を含む地域商工業者に対して最高のサービスを提供することにあると考えております。  一方で、各支援施策の充実に伴い、いろいろな専門家をそれぞれの事業者の業務内容に応じて派遣する制度も、県、産業振興財団、国などの機関で充実してきていると聞いております。商工会の経営指導員は、これらを有効に組み合わせて、それぞれの事業者の支援を強力かつ効果的に行う必要があると思いますが、問題の全体像を把握し切れない部分もあるように見受けられます。したがって、これら施策の企画立案者と経営指導員との間で情報共有がしっかり行われる必要があると考えております。  最後に、商工会の合併問題に少し触れさせていただきます。  商工会の合併の引き金となった平成の市町村合併は、平成11年から国の主導で推進をされてきましたが、今月16日、政府の地方制度調査会から麻生首相に対し、平成の大合併は自治体の行財政基盤強化に一定の成果があり、現行の市町村合併特例法の期限である来年3月末で打ち切りとした答申が提出され、今年度末をもって一つの区切りがつけられようとしております。この市町村合併についてはさまざまな評価がありますが、先日ある新聞に、「合併自治体への手厚い財政支援による誘導策に加え、地方にできることは地方にを旗印に、当時の小泉純一郎首相が進めた地方分権の受け皿づくりという大義名分が合併を加速した。一方で、地方交付税が5兆円以上削減され、自治体の危機感をあおった。このあめとむちの効果で多くの自治体が合併に踏み出し、10年間で市町村数は3,232から1,775にまで減ったが、合併に追い込まれた自治体は多い。旧自治省出身の井戸敏三兵庫県知事は、『合併効果には光と影がある、今後は影の部分への対応が必要だ』と指摘をした」と報じられておりました。  島根県においても、市町村の数が59市町村、8市41町10村から21市町村、8市12町1村になったことは皆さんも御存じのとおりであります。この市町村合併にあわせ、県内の商工会においても、平成17年から約3年間をかけて合併が行われ、商工会の数は52から21に集約をされました。市町村合併での光と影は商工会の合併にも同様に当てはまり、特に影の部分、いわゆる職員数の合理化や財源カットなどの影に対して光を当てるための対応が必要であると考えております。  そこで、お伺いいたします。  新たに求められる業務を含め、商工会が果たすべき役割などについて、県はどのように認識しておられるのかをお聞かせください。  また、県は商工会を指導すべき立場にありますが、経営指導に加え、地域コミュニティーの担い手としての業務などを円滑に行うために、県としてはどのように商工会を支援していかれるのか、あわせてお聞かせください。  以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 71: ◯議長田原正居) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 72: ◯知事溝口善兵衛) 福間議員の御質問にお答え申し上げます。  今般の景気後退、それに対応する経済対策に関連しまして、島根県における資金繰り円滑化支援緊急資金についての質問がございました。  この制度は、昨年の年末から年度末にかけまして資金需要が高まるということが想定されたわけでございまして、その時期に事業者の厳しい資金繰りの安定化を支援するために、国の緊急保証制度をベースといたしまして、県独自に創設をしたものであります。国は昨年秋から今回の事態、大変な事態だということで、迅速な対応をとってきたわけであります。減退する有効需要を補完するための各種の需要創出の対策をとりましたけども、当初の段階で、過去の経験からしても、貸し渋りなどが起こって、それがさらに景気の悪化を進めるということから、金融対策も早目に手当てをしたわけでございます。それが緊急保証制度であったわけであります。それに呼応して県も資金繰り円滑化支援緊急資金というのを設けたと、こういうことでございまして、経過につきましては、議員から御説明ありましたけども、昨年の12月は171億円という貸し付け実行がなされたわけであります。巨額な金額であります。3月まで毎月100億円ぐらい続きまして、年度末までには527億円の貸し付け実行がなされたということであります。それから、その後も若干ペースは鈍化しておりますけども、最近時点6月24日水曜の段階で3,636件の貸し付け実行がなされ、合計で630億円と大変多くの企業の方が利用をされておられるということでございます。この資金は御指摘にありましたように、低利長期で借りかえも可能であるということでありますし、また信用保証協会100%の保証でありますので、事業者の資金繰りの安定化という目的に非常にかなった内容で使いやすかったということがあるんだろうと思います。また、県の制度に合わせまして、半数の市町村で信用保証協会の保証料に対する一定の補助をする、そういう制度をつくったということも、この利用促進に役に立ったんではないかというふうに思っているわけであります。そういう意味におきまして、資金繰り資金を企業の方々が活用されることによりまして、資金繰りについての不安がなくなり、事業継続を図るといったことが円滑になったというふうな効果があったんだろうというふうに思うわけであります。  それで、今後どうなるかという御質問でございます。御指摘にありましたように、国の緊急保証制度は22年度末まででございます失礼しました、21年度末ですね、22年3月末でございますので、これがどうなるかというのは心配されるとこでございます。そこはやはり景気の情勢にも大きく関連をするだろうと思うわけであります。御指摘のように、まだ非常に危機的な状況は脱したというのが最近の動きでございまして、じゃそれでどんどん景気がよくなるかというと、それはまだまだでございます。全国ベースでもそういう見方が多いわけでありますし、県内ではさらに全国ベースよりもその見方は厳しいわけでございます。したがいまして、私どもとしては、今回の景気の後退、完全に回復するにはやはりかなりの時間がかかるということをやっぱり念頭に置いていろんな対策を考えていかなければならないわけでありまして、政府も同じような認識だと思います。したがいまして、政府に対しまして、私どもはまず緊急保証制度というのをさらに継続をするようにお願いをしていくということが必要であるわけでございます。それと同時に、我々のほうも資金繰り円滑化支援緊急資金につきましても、貸し付けの条件等々につきまして、今後の状況に応じて適切に対応していく必要があると考えているところであります。  それから、緊急避難的な措置に加えまして、前向きな企業の方々の投資、ビジネスの展開というものもあるわけでありますから、そういうものに対する金融がしっかりついていくということがまた大事な課題であるわけでございます。そういう県の制度融資といたしましては、従来から創業者支援資金というものがあります。また、経営革新支援資金というのがあります。それから、この2月には地域の観光振興に貢献をする、支援をするということで、おもてなし処整備支援資金というのを創設をいたしたわけでございまして、旅館の改装経費等に対して低利長期の資金を準備して、そのための準備をする、そのための投資に対して融資をするといったようなことがあるわけでございます。いずれも長期低利の資金でございまして、金額も5,000万円でありますとか、8,000万円でありますとか、かなりの新規ビジネスの展開に可能なような額になっておるわけでございます。私どももこういう資金をぜひとも活用していただき、新しいビジネスの展開を図って企業の業績拡大に役に立っていただければと思っているとこであります。そういう意味におきまして、私どもも今後とも必要に応じましてメニューの見直しなどを図り、事業者の方々のやる気をさらに後押しをするようにいたしたいというふうに考えておるところでございます。いずれにしましても、今回の経済危機というのは、やはりかつてなかったような世界的なもんであります。それから、深い谷ができたわけでございます。そこからはい上がっていかなければならないわけであります。時間もかかるわけでございます。状況をよく見ながら、迅速かつ適切に対応していきたいと思いますので、議会の皆様にも御理解、御協力のほどお願いを申し上げる次第でございます。以上であります。 73: ◯議長田原正居) 小林商工労働部長。  〔小林商工労働部長登壇〕 74: ◯商工労働部長(小林淳一) 私からは、2点についてお答えいたします。  まず、商工会の役割への認識についてお答えいたします。  商工会を取り巻く状況といたしましては、会員の中小企業の方々、小規模の企業の方が割合として多く、事業所の数などの減少、またこれに伴う商工会組織率の低下が見られるという状況がございます。さらに、そうした企業では、事業の承継や人材育成問題などの大きな課題があります。したがいまして、商工会の指導内容も高度化、複雑化しているという状況もございます。  一方で、商工会のよって立つ地域では、議員御指摘のとおり、人口の減少、高齢化によりまして、地域社会自体の体力の低下が進んでおります。さらに、昨今の景気減速が地域内の企業や地域経済に大きな影響を与えております。そうした中で、これも議員御指摘のとおり、商工会は個々の中小企業への経営指導業務と、地域社会を振興する業務という大きくは2つの役割を担っていただいております。特に、中山間地域にありましては、この2つの業務は密接不可分の関係、車の両輪の関係でもあります。したがいまして、商工会は現場の第一線で最も地域の実情がわかっておられる立場でございます。地元自治体やほかの関係機関との連携をさらに強めながら、地域振興業務、また地域コミュニティーの維持業務においても中心的な役割を今後ともしっかり担っていただくことを強く期待しております。  次に、地域コミュニティーの担い手としての商工会への支援についての御質問でございます。  商工会は、産業振興と密接不可分な伝統文化や行事に関する事業等に積極的に関与し、会員の方々とともに地域社会を守る役割を果たしてこられました。そうした事業は会費等の自主財源によって行ってきてこられたわけですが、事業者数の減少、また会員数の減少に伴う会費収入の減少などで、その活動を今までどおりに支えることが難しくなってきております。先ほど述べましたとおり、中小企業者への経営指導業務と地域振興業務とは密接不可分な関係にあります。産業振興のためにも地域活動の支援は重要でございます。このため商工会が地域振興業務、地域コミュニティー機能維持業務に積極的に取り組むことができるよう、今回の補正予算では、農商工連携や地域資源活用に関する相談業務なども含めまして、地域振興支援業務に必要な経費に対しまして、新たに助成をすることとしております。地域の支えとしての商工会を支援することによって、地域の中小企業の方々をしっかり応援していきたいと考えております。以上でございます。 75: ◯議長田原正居) 福間議員。  〔福間賢造議員登壇〕 76: ◯福間賢造議員 お二人の御答弁まことにありがとうございます。  1つだけ確認をしておきますが、先ほど県の制度融資をそれぞれの状況に応じてメニューをまた考えるということですが、先日国会でのやりとりの中で、二階大臣が、今景気が悪くなった、金融恐慌は天災というよりも人災という状況の中で、濁流にのまれた零細企業の方が一社たりとも濁流にのまれないようにしていかなければいけないということが麻生大臣の大変な指摘だったそうです、使命だったそうですが、そういった意味で、県が非常に状況が厳しいということで、メニューを新たに組まれるということになりますと、ここでやっぱり世界のトップ、金融の通であります溝口知事の新たな溝口銀行に似たような地域の借りやすい、そして状況に応じた業種のさまざまな方にもきちんと対応できるような制度融資をぜひつくっていただきたい。そのことがいわゆる100万円の融資を受ける、500万円の融資を受ける、1,000万円の融資を受けるということじゃなくて、その100万円が新たな金を生み出すという再生をするチャンスを持っていく、そういうことが非常に今大事ではなかろうかと思っております。いわゆる県知事の商工業者に対しての温かい前向きなやっぱりスタンスが地域の皆さん方に伝わるようなメニューをつくっていただきたい。きょうは傍聴に雲南市木次町のほうから、平均年齢38歳の若い者が20人来ております。知事のやっぱりお考え、また答弁の中でやる気が出るか、出ないかということがきょう夜半にわかると思いますので、そこらあたりも十二分にしんしゃくしていただいて、決意と、そしてまたその考えがありましたら御答弁よろしくお願いしたいと思います。 77: ◯議長田原正居) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 78: ◯知事溝口善兵衛) 御指摘のように、この危機的な状況から脱するように全力を挙げて対応しなければならないわけでありまして、その道に役立つものをよく研究をしなきゃいけないわけでございます。皆さん、議会の方々の御意見、それから商工会の方々、あるいは各地の方々ございますので、英知を集めていいものを作成して、県の経済の発展に役立つように努力をしてまいりたい、全力を挙げてまいりたいと考えております。 79: ◯議長田原正居) 以上で本日の議事日程は終了いたしました。  次の本会議は6月29日に開きます。  本日は、これをもって散会いたします。        午後4時28分散会 発言が指定されていません。 島根県議会 ↑ 本文の先頭へ...